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【縮約してみた】なぜUber配車サービスは日本で失敗したのか?

なぜUber配車サービスは日本で失敗したのか? | Coral Capital

【縮約】

配車サービスとしてのUber Japanは、なぜ日本市場で立ち上げに失敗したのか?

日本では法律を破ってはいけないが、米国企業は違い、罰則金を負うと考える人々がいる。また、テクノロジーの発達によって法改正が追いついていないとき、現行法を無視して実装して既成事実を作ってしまう。

『未来を実装する――テクノロジーで社会を変革する4つの原則』(馬田隆明著)曰く「日本の社会実装に足りなかったのは、テクノロジーのイノベーションではなく、社会の変え方のイノベーション」。今後重要な資質は「政策起業力」。社会課題解決のために、ステークホルダーとの対話の場を設け、実現すべき未来像を示し、徐々にコンセンサスを作り上げる。社会実装に必要な要素は、インパクト、リスク、ガバナンス、センスメイキング(納得感)。

Uber立ち上げ失敗の主因は「ニーズがなかったから」。一方で、「タクシーを呼ぶサービスなんて要らない」とはUberの過小評価。すでに日本のタクシーは他国と比べて何周も周回遅れ。利用料金を下げられる相乗りサービスも始まっていない。未来や可能性があるのにニーズがないというのは、デジタル技術革新による中期のインパクトを考慮に入れてなかったから。

成熟国家ではインフラや法制度の仕組みが完成していて、変更に時間がかかる。大きな5つの技術革新の社会実装の経緯は、どれも最初の技術登場から20〜50年で社会に受容された。だとすればDXはこれからが本番。1995年に始まった「コンピューター+ネットワーク」を社会実装すべきは今後10〜20年。いま必要なのは「社会の変え方のイノベーション」。日本でのUberの立ち上げ失敗は、私たちスタートアップエコシステムの社会実装を学ぶ1つの教訓となっている。


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