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多趣味は無趣味。やりたいことなんてひとつでいい。

こんにちは!EventHub・カスタマーサクセスマネージャー村上です。
これは、EventHubのアドベントカレンダー・22日目の記事です😀 前回は、Taichi Nakaoさんの『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 』 | 企業・組織における多様性とは?でした。こちらもぜひ!

今回記事では、現在SaaS企業で勤める私がこの2年間で没頭してきた趣味作りの軌跡(テニス)をお話しつつ、過熱した趣味の行く末を感じてもらえたら幸いです笑

結論から言うと、何事も本気でやると、組織が生まれ、課題に直面し、課題を越えた先にHAPPYがあるよね、という大学生が就活で意気揚々と語りそうな小話を良い年34歳の私が2020-2021年の振り返り的にお話することになります笑
大人が本気でやるとどうなるか的な面白さをぜひお楽しみください。

コロナで知った多趣味は無趣味という現実

もともと私は"断る"ことが非常に苦手である

私は、どんな誘いにでも参加しがちな"呼んだら来る"タイプの人間です。好奇心旺盛というポジティブなものではなく、単純に"人に嫌われたくない"というネガティブな思いからです。。
そんな背景があり、色んな興味のないイベントに参加することで多趣味化は避けられず、本気度も低いのでいつも趣味が続かない人生を歩んできました。

自発的でない趣味は趣味ではない

趣味とは・・・[専門としてでなく、楽しみとして愛好する事柄]
楽しみが伴う必要がありますし、自分の意思によって形成されるものです。前述の通り、私の多趣味の背景には"誘いを断れない"という弱点が大きく作用しているので友人関係に恐ろしく依存していました。
時には美術館や博物館を巡り。。
時にはクラフトビールにはまりビール工場を訪問し。。
時にはひとりフェス参戦にハマり、よくわからない人とよくわからない音楽で盛り上がり。。
時には食器グラスにハマり洋食器を集めたり使いもしないリーデルやナハトマンを買いまくったりしてました。。。
まるで一貫性のない趣味を友人関係に連動させながら、1-2年スパンで入れ替えるという感じ。。

コロナで迎えた多趣味の終焉

しかし、そんな友人関係に依存しまくっていた多趣味化生活に大きな変化が訪れます。2020年のコロナによるロックダウンです。

人と会えなくなった私に残ったのは仕事のみでした笑
寝ても覚めてもひたすら仕事のやりたいことリストを消化し続けるという毎日に突入し、さすがに物寂しさを感じるようになりました。
このとき初めて「よし!何か自発的にやってみるか。。」と思い立ち、学生時代から10数年やっていなかったテニスを再開することに決めました。

  • コロナ禍でも出来ること(密は避ける)

  • 30代になり健康につながるものがいい(真面目)

  • 自分がのめり込む可能性が高いもの(立ち上がりの集中力大事)

  • 一人ではなく、誰かと行うもの(人がいれば継続するタイプ)

  • 長く出来るものがいい(余生も考えて)

を踏まえて思いついたのが学生時代にのめり込んでいたテニスでした。

よしテニスをやろう!

と、思い立ったはいいもののもう10数年以上テニスをしていない上に

  • 都内でまともにテニスをしたことがなかった

  • 学生時代の友人たちはほとんどが結婚して家庭もあるため捕まらない

  • そもそもコートどうやって取るんだっけ?

  • 相手いないと始まらない

ということでいきなり"一人ではなく誰かと行うもの"を選んだ壁にぶち当たりました笑

このあたりでテニススクールに通うことも考えましたが、絶対に続かない自信があったので、コミュニティを作ることで続けなきゃいけない理由を生み出しながら中長期で継続できる環境を目指すことにしました。

やるのだ!!


"やりたい"を実現するのは難しい

テニスにはコートが必要

当たり前ですが、テニスをプレーするためにはコートが必要です。
検索すると、主に都営公園のコートを借りることによってプレーできるようですが、公共施設のため抽選でコートを申込する必要があります。一人2枠の抽選に参加出来、翌月のコートを手配することが出来ます。

・・・が、
なんと抽選倍率はおおむね10-20倍。低いところでも5-6倍。。。
それもそのはず。。

都道府県別統計とランキングで見る県民性-都道府県別テニスコート数

な、なんと大都会東京は47都道県中46位の供給率。。。
供給偏差値33。絶望的な環境。。。(高校ならヤンキー高確定)
そんな訳でいきなりコート確保のとてつもない壁の高さを知りました。

ただ一方で、やりたいと思ってもなかなかやる場所がない、という自分と同じ立場の人が大量に存在している可能性にも気づきました。コート抽選はみな平等に2枠の権利があるので、同じような人たちを集めることさえできればある程度安定した活動が出来るかもしれない、という一筋の光を見つけました。

テニスには相手が必要

一念発起した背景に、自発的に趣味を作りたいという希望と継続的に趣味を維持したいという希望があり、あえて自分ひとりではなくコミュニティを作ることで継続性を担保したいという強い気持ちがありました。
しかし、前述の通り自分の周囲には"相手がいない"が一番最初の課題。。

まずはターゲットが見えてきたので、"やりたいけどやる場所がない人たち"を募るところからスタートしました。
コミュニティということはサークル活動的なものになるので、
・InstagramをはじめとしたSNS
・社会人サークルのポータルサイト
・テニス専用のSNS
などを調べつくし、露出を開始しました。

すると、、、、、驚くことに
ほんの数日で数名集まり、1か月程度で10名程度まで同志が集まりました!!
現代社会アッパレ!! SNS万歳!!
そんなおじさんの歓喜とともにコミュニティがスタートします。
初月は全員で抽選を行い、月1-2回レベルではありますが活動が始まることになり、さらに参加者の紹介等で開始から3か月程度で30名程度まで人数が増えていきました。

当時のLineグループ。。。めっちゃ参加者少ない笑

ゴールを決めよう!

開始から5-6か月程度たって、新たな課題に直面することになりました。
人数は増加するものの、来なくなる人も増えてきて頭打ちを迎えたのです。

理由はずばり、レベルが合っていないと面白くない問題です。

人は強欲。プレー環境も練習メニューも自分に最適なものを求めます。合わなければ参加しなくなります。
特に継続して参加してもらうには競技レベルの統一は非常に重要でした。

レベルを定義する上で、このコミュニティ自体が何の目的のもので、何のために練習に参加して、どのレベルの人向けに、どんな状態であるべきなのかを明確にする必要を感じました。
流入状況を見る限り、"やりたいけどやる場所がない人たち"は十分量存在しているので、ここからはさらにターゲットの解像度を高める必要を感じたということです。

そこで以下をコミュニティの存在目的に置き、ターゲットを絞ることにしました。

目的
テニスはやりたいけど定期的に練習できる場所がないため、場所や機会を探しているという方にテニスが出来る環境を提供すること
ただし遊び目的ではなく、上達志向の方に向けた環境にする

ターゲット
30代主体(20-50歳を対象)
テニス経験が5年以上
スクール上級クラス相当を目安
練習時にラケットでの球出しが安定して出来る方

同時にこの時、どんな運営状態にするかを具体化しました。

▶ゴール
1.土日祝は全日程で活動が出来ること
2.コート数は毎回2面以上を確保すること
3.ヘビーユーザー2割(コミュニティへの帰属意識がある)とライトユーザー8割(テニスがやりたいだけ)で構成する=うちわ感出さない
が満たされた状態

これは都内の供給率を考えるとかなり高い設定ではありましたが、"やりたい"を実現するために具体的な目標が置かれている必要性を感じたのです。
ゴールやターゲットが明確になったことで、ここからは気合と情熱でのワンオペ活動がスタートしました。

現在も使用している入部のしおり

組織を運営する、組織が自走する

結論から言うとこうなった

2020年にスタートし、2021年12月現在130名規模になりました笑
現在は全土日祝で昼~夜と開催しています。

まさに2年間で当初設定したゴールに近い状態にまで大きくなりました。
今や日本人だけでなくアメリカ人もロシア人も中国人も韓国人もいます。
そして、週末は朝から晩までテニスをするようになりました笑
おかげ様でケガもしましたし、月曜日の仕事のパフォーマンスは激落ちしました笑

ただここまで大きくなるのに色んな出来事があったのでそれに触れたいと思います。

組織で起こる課題① 人間関係が複雑化する

前述のレベルが合わない問題と同様に、図らずも人間というものは互いに影響を及ぼし合います。当然性格の合う合わないもあります。
特に最初の1年間はまず安定して開催出来るように集客を安定させることを優先していたため、飲み会を行ったり、プライベートでの付き合いも行ってロイヤリティを向上しようという思惑もありました。
ただ、関われば関わるだけ問題は起きてくるためスタートから1年が経ったあたりから、人間関係を出来るだけコミュニティから切り離す、という決断をしました。
すごく平たく言うと、コミュニティとして提供するのはテニスだけの関係にする、ということです。
会社という組織においても飲み会に行ったり、旅行に行ったりコミュニケーションはありますが、それはヘビーユーザーのみ(基本的にメンバーが固定)で構成されているからその必要性が出てきます。
一方で、我々のコミュニティは活動は1回2時間。そしてテニスのプレー中はコミュニケーションは限定されています。
そのため、必要以上にイベントや飲み会を開催する必要性がないことに気づきました。もちろん制限することはしませんし、現在も極稀に行うこともありますが、基本的にはコミュニティ主体での企画はほとんど実施していません。
それにより、ヘビーユーザーとライトユーザーの比率も自然と2:8程度で維持されていくようになり組織状態が改善されました。

組織で起こる課題② ワンオペの限界

  • コートの手配

  • 道具の手配

  • 活動日の連絡

  • SNS管理

  • サイト更新

  • 経費管理

  • ….etc

テニスをやるだけ、と言っても意外とやらなければいけないことが増えてきます。特に開催数が月10回を越えたあたりから限界を感じるようになりました。
1回の活動は約2時間。コート数は1-3面。参加人数は8-24名。
練習を行おうと思うと200球近いボールを持っていくだけでもこんな感じになります笑

大荷物で都内徘徊

ラケットバッグ+Lサイズのスーツケースというなかなか電車に乗りにくい格好で都内をうろうろ一日中動くことになります笑
また、コートを確保するだけでもかなりの手間がかかりますが、それを告知し、参加者を募るのも中々に骨の折れる作業です。

100名越えるとカオナビほしいレベルのメンバーリスト

しかし、気合で乗り切っていた2021年2月ころから運営側に回ってくれる頼もしいメンバーが出現し、現在はサポートのおかげもあってワンオペを卒業することが出来るようになりました。
現在は予約作業・サイト更新・経費管理・当日運営なども支援してもらいつつ、ちょっとした運営組織が出来つつあります。

組織で起こる課題③ 要望が増えてくる

どんなにコンセプトを打ち出してもやはり
・もっとこうしてほしい
・これはいやだ、あれはいやだ
が出てきます。
例えば、練習メニューなどは
・ある程度レパートリーにも限界があること
・課題としているメニューが人により異なること
で出来ることには限界があります。
確かにそれも出来たらいいよね、と思えるものはたくさんあります。
しかし、多くはヘビーユーザーから上がってくるものでライトユーザーからはほとんど声が上がりません。これは、ライトユーザーに意見がない、という訳ではなく、あくまで発言する機会数や発言しやすい関係性が小さいことが原因だと考えています。
そのため、基本的には個別化してヘビーユーザーのロイヤリティを高めることよりも、ヘビーユーザーとライトユーザーの比率が保たれることを優先して決定しています。

こういう判断を行う上で、最初にゴール設定をしておけたのは非常によかったと思っています。
課題に直面した際に都度その時々の条件で最適解を模索するよりも、より手前にあるコンセプトや基本方針に立ち返られることで"いつも正しく変化出来る"という点は運営をラクにしてくれます。

文化が醸成されると組織が自走する

これまでに挙げたようにこうした選択を続けることでコンセプトの強調・浸透が促進されるため、文化が醸成される感覚があります。

この2年間で自身のなかでも
"趣味を作ろう"フェーズ
"ゴールを作ろう"フェーズ
"コンセプトを保とう"フェーズ
を経てきましたが、同じようにそれがコミュニティにも反映されてきました。文化や意思が浸透することで、同志が見つかり、いい感じで組織が自走してくる感覚を得ることができます。何となく始めた最初と比較すると、今は各メンバー自身が自由にコミュニティを活用し、自身で雰囲気を生み出してくれています。

まとめとこれから

目標は何?

よく何のためにそんなにテニスしてるの?と聞かれますが、正直プロも目指していないし、何かの大会で優勝するためにやっている訳ではありません。自分でも回答に困ります。
ただひとつ言えるのは、"やりたいけど場所がない"という人たちは確かにたくさん存在していて、誰かのためになることであればやり続ける意義はある、と今は思えているので、飽きるまではやってみようと思います。

テニス協会に登録したり
大会を自主開催したり
2022年はさらに趣味に没頭していきたいと思います。仕事もします笑

まとめ

本気の趣味を作ろう!!と思ってやり始めたテニスがまさかここまで続く&こんな形になるとは思いませんでした。

来年はどんなコミュニティを作ろうかな…笑

何事も本気でやると、組織が生まれ、課題に直面し、課題を越えた先にHAPPYがあるよねというまさに就活生が語りそうな内容を大人が本気で書いてみました。

ここまで読んでくださったみなさま、本当にありがとうございます。



次のアドベントカレンダー23日目の記事は、私の前職時代からの同僚であるセールスチームの塚本さんに書いていただきます😀

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