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宮坂日出美 (著) 『祝福二世』を読んでの感想


宮坂日出美 (著) 祝福二世

元統一教会信者であり、統一教会員の両親から生まれた二世、統一教会用語でいう「祝福二世」である宮坂日出美さんの著書『祝福二世』を読ませて頂いた。
感想は、というと、なかなか一言では言い表すことができない、と思った。
私が長年、間違いだと思ってきた統一教会員の信仰観に幼少期からどっぷりと浸かり、それを間違いだと思わずに青年期になるまで頑張ってきた彼女。中学から韓国へと留学し、大学も教会系の鮮文大学へ進み、そして二世教育としてスタートしたSTFの一期生という、まさに教会内ではエリートコースであった彼女が、まさにそのSTFの訓練プログラム中に教会の活動に疑問を持ってしまうという、ご両親としては本当にいたたまれないというか、まさか、という感じであっただろう、と思う。
しかし、だ。彼女がつまずいた教会の内容、そして「二世」という立場を考えた時に、それは必然であったのではないか、と私は思う。
私達一世の祝福は『条件祝福』だ、と文鮮明先生は言われた。それは本来、祝福を受ける者は、自らの「堕落性」を全て脱ぎ、全く罪の痕跡もない状態で、アダムとエバが堕落した時点、つまり未完成期であった長生期完成級まで霊人体を完成させた上で『原罪』を取り除いて貰い、夫婦で完成期へ臨み、完成期完成級、つまり『完成する』という段階まで行かなければならない、というものであった。しかし、私達祝福一世は、堕落性も脱げていないし、長生期完成級にもいなかったので「将来必ずこれを勝利する」という条件付きで祝福を受けた、つまり原罪を取り除いて貰った、というのが本当であった。つまり『神が準備した群れではなかった』という事だ。
しかし、だ。現在においても、堕落性を全て脱げた教会員もいなければ、下手をすると蘇生期以下の基準の教会員さえいるのではないか、と思われるのが現状だ。
人間の完成において、長生期完成級までは、教会員でなくても脱ぐことができる。だから、世の中にたくさん祝福の基準に合う人はたくさんいるだろう、と私は考えている。ところが、だ。なぜか教会員の中に「自分達はその基準に達したから祝福を受けられた」と勘違いしている人が多いと凄く感じている。自分の堕落性もわからず、自分の基準も理解していないひとが多くいる、ということだ。そういう人はなぜか世の中を下に見て、世の中の人から学ぼうともしないし、世の中のルールも守ろうとしない。本当におかしな話だ。
彼女はまさに、青年期になった時に、自らの堕落性に気づき、また彼らのおかしな信仰感から生まれた活動につまずき、そして「教会の外にも神はいる」という事に気づいてしまった。だから「祝福二世」と持ち上げられる事に耐えられなかったのだろう、と思う。また、ご両親の教会内での不遇な立場に、ご両親が納得していなかった、という事も「離教」という流れになった要因の一つではないか、と思われる。
これは本当に、不幸な事だ、と私は思う。

『罪は遺伝する』 


アダムとエバが犯した罪、『原罪』が、延々と人類に遺伝してきたように、堕落性も子供に遺伝されてしまう。もし仮に、ご両親が教会内の自分達の立場を感謝して過ごしていたなら、もしかしたら、このような事にはならなかったのかもしれない。しかし、私は逆に、彼女のように教会の信仰感の問題を世の中に提起し、本として出版してくれたことは『神の導き』なのではないか、と思っている。
私がこのnoteの記事を書き始めたのは昨年の8月30日だったが、その時は宮坂日出美さんのブログは全く知らなかった。まさに本が出版される、という段階で知った訳だが、私のnoteの記事の内容が、単なる私の主観に基づいたものではなく、まさに彼女の歩みが証明してくれたのではないか、と思っている。
私が今も変わらずに統一教会員として活動しているのは、私の伝道のされ方によるところが大きい。だからこそ、文鮮明先生がどのような言葉を語ってきたのか、どのように活動を指示してきたのか、というところに意識を置いて様々な人に出会い、話を聞き、そして「み言葉」を学んできた。それがまさにこのnoteの記事に繋がっている。
私は、他の統一教会員の言われるような、「統一教会員が神側、それ以外はサタン側」などという意識は微塵も思っていない。文鮮明先生がメシアとしての使命をすべて勝利された、というのが事実なら、間違った信仰感を持った統一教会員は、いずれかの段階で一掃されるだろう、と考えてきたし、文鮮明先生もそのように語られている。宮坂日出美さんの著書『祝福二世』は、まさにその時が来た、という証明なのだろう、と思う。多くの統一教会員に、この本を読んで頂きたい、と思うし、その事で自らの信仰感を見つめ直し、「今後どのように歩むべきか」を考えて欲しい、と心から思う。


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