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高血圧治療~利尿薬~

~医薬品情報~

フルイトラン

https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00056852

べハイド

https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00056258

ヒドロクロロチアジド

https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00062378

アレステン

https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00053637

ナトリックス

https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00048857

テナキシル

https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00003239

ノルモナール

https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00008459

バイカロン

https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00056602

ラシックス

https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00068360

オイテンシン

https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00057523

トリテレン

https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00054143

アルダクトン

https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00053638

セララ

https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00053675

~高血圧治療~

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~利尿薬の作用機序~

サイアザイド利尿薬
サイアザイド系類似利尿薬

作用機序

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・体内の余分な水分などを尿によって排泄し、血圧やむくみなどを改善する薬 腎臓における尿細管というところでは尿から血管へナトリウムイオンや水分の吸収がおこなわれます
・本剤はナトリウムイオンや水分の血管への吸収を抑え、尿としてナトリウムイオンや水分を体外へ排泄して体内の水の量を減らします
・体内の水の量が減るとむくみが減り、血圧が下がります

・薬剤によっては心性浮腫や腎性浮腫などへ使用する場合もあります
・ARB(アンジオテンシンII受容体拮抗薬)などの他の降圧剤との配合製剤の成分として使われる場合もあります

詳しい薬理作用

体のむくみ(浮腫)の原因の一つに体内の過剰な水分があります。血液にも水分が含まれているため、体内の水分量が増えると血圧などが悪化する場合があります。

腎臓の尿細管(遠位尿細管)というところでは尿から血管へナトリウムイオンの吸収(再吸収)がおこなわれています。ナトリウムイオンは水と一緒に移動するため、ナトリウムイオンの再吸収を抑えると水の再吸収も抑え、結果的に尿としてナトリウムイオンや水分が排泄されます。

本剤は腎臓の遠位尿細管におけるナトリウムイオンと水の再吸収を抑え、尿として水分を排泄しやすくして体内の水の量を減らす作用をあらわします。体内の水の量が減ることによって、むくみや血圧などが改善します。

なお、本剤の成分の中には他の降圧成分と配合された製剤が複数存在します。例としてARBとの配合製剤(ARB・利尿薬配合剤)であるプレミネント配合錠、イルトラ配合錠などがあります。

ループ利尿薬

作用機序

・尿による水分排泄を増やし体の過剰な水分や塩分を排泄し、むくみなどを改善する薬
・腎臓の尿細管という管のヘンレループという水分吸収に関わるところで血管へ水分が吸収されます
・本剤はヘンレループでの水分移動を阻害し体内の水の量を減らし、尿として水分を体外へ排泄します
・体の水の量が減るとむくみが減り、血圧が下がります

・薬剤によっては高血圧症などへ使用する場合もあります

詳しい薬理作用

体のむくみ(浮腫)の原因の一つに体内の過剰な水分があります。血液にも水分が含まれているため、血液の流れが悪くてもむくみはおこります。

腎臓の尿細管という管の一部に主に尿の水分を血管へ移動させるヘンレループという部位があります。このヘンレループでの水分移動を阻害すれば血管へ吸収される水分量が減り、尿として排泄される水分量が増えます。その結果、体内にある水の量が減ることになります。

ループ利尿薬はこれらの作用により尿として体内の水分を排泄し、むくみを減らす作用をあらわします。

また体内の水分量が減れば水分を含んでいる血液量も減るため血圧を下げたり、心臓の負担を軽くする効果が期待できます。そのため本剤の中には高血圧症などへ使用する薬剤もあります。

カリウム保持性利尿薬

作用機序

・尿として体内の過剰な水分などを排出し、むくみや血圧などを改善する薬
・腎臓における尿細管という場所では尿から血管へ水分などの吸収(再吸収)が行われます
・本剤は尿から血管への水分吸収などを阻害し、尿量を増やして体内のむくみを減らし血圧などを改善する作用をあらわします
・本剤は体内からカリウムイオンが排泄されるのを抑える作用もあらわします

・他の種類の利尿薬(ループ利尿薬 など)との併用される場合もある 他の利尿薬によります
・カリウム排泄を抑えることで、体のつりやこむら返りなどを抑える効果も期待できます

・心性浮腫、腎性浮腫の他、薬剤によっては栄養失調性の浮腫などにも使用します

詳しい薬理作用

体のむくみ(浮腫)の原因の一つに体内の過剰な水分があります。体内の水分量が増えると血液の量にも影響し、血圧などが悪化する場合があります。

副腎皮質ホルモンのひとつであるアルドステロンは体内でナトリウムや水分の調整に関わり、血圧などにも深く関わる物質となります。アルドステロンは腎臓の尿細管(遠位尿細管)という場所で、尿中のナトリウムイオンや水分を血液中へ戻す働き(再吸収)を促進させます。

尿細管におけるアルドステロンの作用を抑えるとナトリウムイオンと水分の再吸収が抑えられ、結果的に尿としてナトリウムイオンと水分を排泄させます。またカリウムイオンの排泄を抑える作用もあらわします。水分排泄の促進により体内の水の量が減り、むくみや血圧などが改善します。

カリウム保持性利尿薬はアルドステロンなどの水分の再吸収などに作用して、尿として水分を排泄し、カリウムイオンの排泄を抑え、むくみや血圧などを改善する作用をあらわします。

本剤の中で、スピロノラクトン(主な商品名:アルダクトンA)は抗アルドステロン作用により利尿作用などをあらわします(そのため、抗アルドステロン薬とも呼ばれる)。また、トリアムテレン(商品名:トリテレン)はアルドステロンへの拮抗作用と尿細管への直接作用により、その効果をあらわすとされています。

アルドステロン拮抗薬

作用機序

・血圧上昇や心臓の肥大などに関わる体内物質アルドステロンの働きを阻害し降圧作用などをあらわす薬
・体内物質アルドステロンは血圧上昇や心臓の肥大化などに関わります
・アルドステロンは腎臓の尿細管で水分などを血管内へ吸収(再吸収)させ血液量を増やすことなどにより血圧を上げます
・本剤はアルドステロンが作用する受容体に対して拮抗して作用することで抗アルドステロン作用をあらわします

・アルドステロンは腎臓以外にも心臓、血管などにも関わり血圧を上げる要因となるとされています
・高血圧症の他、慢性心不全などの治療に使われる場合もあります

詳しい薬理作用

体内の血圧を上げる要因の一つにアルドステロンという物質があります。アルドステロンは腎臓における尿細管で水分やナトリウムを血管内へ再び吸収(再吸収)させ、血管に流れる血液量を増加させることで血圧を上げる作用をあらわします。またアルドステロンは心臓や血管、脳などにも作用し、心筋の線維化や心臓を肥大化する作用、血管の炎症反応などを亢進させる作用、腎臓障害に関わる作用をもつとされ、これらの作用によっても血圧を上げるとされます。

本剤はアルドステロンが作用する鉱質コルチコイド受容体に拮抗的に作用することで抗アルドステロン作用をあらわし、尿細管などにおけるアルドステロンの働きを阻害し血圧を下げる作用などをあらわします。また本剤は心臓の肥大などに関わるアルドステロンの働きを抑えるため、高血圧症以外にも慢性心不全などの治療に使われることもあります。

本剤はより選択的にアルドステロン受容体に作用(拮抗)することで、同じ様な抗アルドステロン作用をもつスピロノラクトン(主な商品名:アルダクトンA)に比べ、黄体ホルモンの様な作用(黄体ホルモンが作用するプロゲステロン受容体に対しての作用など)が少なく、一般的に女性化乳房や月経不順などといった副作用への懸念が少ないとされています。

~利尿薬の副作用~

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<サイアザイド系利尿薬>

・低カリウム血症や低マグネシウム血症などの電解質異常、耐糖能低下、高尿酸血症などの代謝へ影響があるため、少量を使用します。
・糖・脂質代謝への悪影響を考慮し、β遮断薬との併用は勧められていません。
・eGFR 30mL/分/1.73m2未満では効果が乏しいため、使用を避けます。
・低カリウム血症の予防にはカリウム製剤、カリウム保持性利尿薬などの併用、カリウムを多く含むかんきつ類などの摂取を指導します。
・精神的ストレス(職場、家庭)が多い者

<ループ利尿薬>

サイアザイド系利尿薬と同じ副作用以外に低カルシウム血症や低マグネシウム血症などが挙げられ、脱水の頻度が高いほか、膵炎や発疹に注意します。

<カリウム保持性利尿薬・アルドステロン拮抗薬>

アルドステロン拮抗薬であるスピロノラクトンやエプレレノンでは、性ホルモン関連の副作用(血経不順、女性化乳房など)がありますが、アルドステロン受容体への選択性の高いエプレレノンのほうが少ないとされています。トリアムテレンには性ホルモン作用はありません。

~各利尿薬の違い~

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サイアザイド系利尿薬

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ループ利尿薬

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カリウム保持性利尿薬


アルダクトン

高アルドステロンによる高血圧や難治性高血圧症に多く用いられるが、肝硬変による浮腫や腹水に有効であり、かつループ利尿薬の様に低カリウム血症によるアンモニア産生を増強しない点が重要である。またスピロノラクトンは左室収縮能不全に伴ううっ血性心不全には利尿効果のみならず心筋保護作用もあることから有用性が言われている。最近では末期腎不全にあってもこの心筋保護作用から高カリウム血症を十分に予防する条件下で有用性が言われる様になった。CKDの虚血性AKIからの血流回復にも有効だという報告がされている。スピロノラクトンは経口で速やかに吸収されそれ自体の半減期は短いが活性代謝物であるcanrenonesに代謝されこのT1/2は16時間で、さらに7 alpha-thiomethylspirolactone (T1/2 = 13時間)に代謝される。このため、臨床的なT1/2は約20時間に上り作用が最高になるのに10〜48時間におよぶ、とされている。

セララ

スピロノラクトンが抗アンドロジェン作用およびプロジェステロン作用があるために女性化乳房、インポテンス、月経不順、性欲低下などの副作用をきたすことがある。この場合はよりこうした作用が少ないエプレレノンの良い適応になる。また最近の急性心筋梗塞後の左室機能の改善と心筋リモデリングを促進するために適応される。さらに虚血性のAKIがCKDに進展するのを防ぐ効果が最近報告されている。ただし、スピロノラクトンより半減期がT1/2 3時間と短いので1日2回投与が最適である。

トリテレン

遠位部ネフロンのNaチャネルENaCを選択的に阻害する本邦では唯一の薬剤で(海外ではもう一つアミロライドがある)スピロノラクトンと同様に肝硬変による浮腫に投与される。腎血流をフィードバックにより低下させることでPGE2の産生を増加させるので、これを阻害するNSAIDsとの併用は避ける必要がある。また尿をアルカリ化することから腎結石の原因となったり、AKIを起こす症例が報告されている。ENaCを抑制することからI型偽性低アルドステロン症と同様の電解質変化を起こすし、ENaCの先天的な作用亢進であるLiddle症候群の際にはトリアムテレンがそれを拮抗できる。

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