かえ歌で気分転換

地域の図書館へ行ったときのことです。入り口前にいると下校中の小学生が3人歩いてきました。5年生ぐらいの男の子です。
全員半袖半パンで活発そうな体つきです。

急にひとりが大きな声で歌いだしました。
「ぶんぶんぶん はちがとぶ おいけのまわりに のばらが さいてないよ ぶんぶんぶん はちがとぶ」
ほんとの歌詞は、のばらがさいたよですがさいてないよに歌詞をかえて歌ってました。
しかもまじめな顔で大きな声で。他の2人は反応せずふつうに歩いてます。

ところが地球のおばちゃんはものすごく反応してしまったのです。代わり映えのしない「マンネリ化」した心の状態が、この光景に「新鮮!」と動いたのでした。
「マンネリ化」がいきなり「新鮮!」に変わる?
なぜなのかようく考えてみました。

「ぶんぶんぶん」は良い子の歌です。本来の歌詞は「のばらがさいたよ」とハチが喜ぶ良い歌です。
ところが「のばらがさいてないよ」というハチにとってメリットのない歌詞になっている。
良い子の歌詞ではなくなっているのに、それを音楽の授業中のように胸をはってのびのびと歌い、そばにいる2人も違和感なく聞いている。

大人の世界ではこうないかない。
あ、そうか!
常識の枠を超えている場面だったんです。ほとんどの大人は常識内で生きていますから・・・
小学生たちはかえ歌なんて日常茶飯事で、きっと他の歌も歌詞をかえて歌っているのでしょう。
だから新鮮でもなくおもしろくもない。ふつうのこと・・

地球のおばちゃんも町で歩きながら歌ってみたいと思いました。
が、常識という枠から考えるとムリです。
還暦すぎたおばちゃんが道で「ぶんぶんぶん」と声をだし「おはながさいてないよ」と歌詞をかえると、通りすがりの人は足を止めて見るでしょう。もしかしたら「あの人認知症?」と疑われるかもしれません。

一方で「ぶんぶんぶん」はあきらめて、大人らしい歌なら常識枠にはいることはできそうです。おっちゃんが坂本冬美の歌を口ずさむ、OLが宇多田ヒカルならだれも気にはしないでしょう。

しかし「ぶんぶんぶん」のかえ歌はそうはいかない。
子どもという時期を過ぎると、こっそりとしか歌えないようです。

こっそり歌ってみようと思いました。
図書館の帰り道、人通りの少ない道を選んで自転車で走りながら「ぶんぶんぶん」を口ずさみました。「さいてないよ」のところはきっちりと。

歌い終わるとテンションが上がりある歌が頭に浮かんできました。
伝説のギャグマンガ「天才バカボン」のアニメ主題歌です。「西から昇ったおひさまが 東~へし~ず~む(あ、たいへん!)」から始まりますが、好きなのは2番です。「柳の枝に猫がいる だから~ねこやなぎ~(え、ほんと!)」というやつです。

続けて「天才バカボン」の2番を歌いました。
家に着くとなんだか楽しい気分になってました。

気分転換の方法、ひとつ見つけました。


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