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雑文まとめ

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#小沢健二

天使たちのシーン 小沢健二

“神様を信じる強さを僕に 生きることをあきらめてしまわぬように” 神様という響きにどこか近寄りがたい印象を持ってしまう。その意味が何によるかを慎重に捉えようとするからかもしれない。とりたてて信仰心が高いわけではない自分にとっては、咄嗟に身構えてしまう言葉だ。しかし、それでもこの歌詞が尊いのは続く「信じる強さを僕に」という部分にあると思う。 不安と恐れが世界を包んでいるいま、何かを信じるよりも疑うことのほうがむしろ安心できてしまう。あるいは騙されないための本能的な行動なのか

愛し愛されて生きるのさ

この歌が世界に発表されてからもう四半世紀が過ぎようとしている。17歳だった夏のある日、突然ラジオから流れてきた不思議なメロディと耳に残る歌声に心を奪われた。一体どこからがサビなのかわからなような軽やかに流れるメロディ、細かく詰め込まれた歌詞、そして間奏の語り。奇妙で耳から離れない。こんな変なのに美しい歌をそれまで聴いたことがなかった。大学受験を控え毎日部屋にこもって勉強をしていたぼくは、この歌のおかげでどこか遠いところに飛び立ったような気分になれた。 子供たちには、とくに1