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「脅威」を意識したデータのバックアップ

今回は私が実践しているPCのデータのバックアップ方法をご紹介します。

私はITエンジニアですが、セキュリティは専門ではないため、記事にするのはおこがましいところですが、何らかの参考になれば幸いです。

ヘッダーはネタ写真です。
ハードディスクを廃棄するとき、ふたを開けてドライバーとハンマーで物理的に叩き壊そうとしたところ、円盤が割れてしまったのでした。
下手なドラマの演出じゃあるまいし、普通はこんな壊れ方しません……。

バックアップの必要性

私の場合、データのバックアップは非常に重要です。
今まで書籍やCDなど、それなりにお金をつぎ込んで購入しましたが、現在は収納スペースの関係で99%以上をデジタル化しています。

例えば、読み終わった書籍は数ヶ月に一度、背表紙を切り離してドキュメントスキャナーに通し、紙媒体は破棄しています。

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結果として、書籍だけで700冊以上、14.7万ページがPC上にあります。

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このような感じで、実世界で収納スペースを取っていない分、データは大量に膨れ上がり、全部で4TB以上になってしまいました。

ちなみに、バックアップ対象のデータの中には、前世紀に作成された、こんな化石もあります。勉強した内容を保存するのが目的でしたが、今となっては記念写真に……。

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脅威を認識する

こうしたデータが事故で消えてしまうのは悪夢でしかないので、バックアップには人並み以上に気を遣っています。

セキュリティの技術では、こういう場合、「脅威」を分析すると良いそうです。つまり、どのような状況で問題が起こるかを考え、それに対処します。

データの消失で思い浮かぶ脅威としては……
・ストレージのハードウェアが寿命で壊れる
・誤操作で削除や上書きしてしまう
・OSのクラッシュや電源断でストレージのデータ不整合が起こる
・コンピュータウィルスによってデータが読み込めなくなる
・ストレージやPCが破損する(落下、落雷、液体をこぼすなど)
・ストレージやPCを紛失する、または、盗難に遭う
・自宅が火災や水害に遭う(……というのは最悪のケースですが、PCの周辺が雨漏りで水没するとかはあり得ます)

このような驚異に対処できているかを見直します。

バックアップの方法

私が実践しているバックアップは、別のハードディスクにコピーを作って、普段はバックアップをPCから切り離しておく方法です。

具体的には……
・ハードウェアの寿命 → ストレージは3年を目処に買い換えています。買い替え前のものは完全に使えないわけではないため、予備のバックアップに流用します。
・誤操作やウィルスの脅威 → 普段、バックアップ用のストレージはPCから物理的に切り離しておきます。
・データの不整合 → バックアップとして再利用するときは、いったんフォーマットして、きれいな状態にしてから使います。
・盗難 → バックアップは暗号化ドライブにします(流出防止の観点ですが、全領域への書き込みテストにもなります)。
・自宅の火災や水没 → もう1系統バックアップを作って、遠隔地に置いています。

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単にバックアップしただけでなく、考えられる「脅威」に備えていることから、それなりに安心感があります。

バックアップ対象のデータサイズが小さければ、クラウドサービスでも良いかもしれません。
ただ、個人的にはプライベートなデータをクラウド上に保存するのは気乗りしないのと、運営の都合でサービス停止や仕様変更が行われるのに抵抗があるため、ローカルで完結させています。

部分的な対処

対策は必ずしも完璧でなくても良いと思います。
脅威さえ認識していれば、重要度に応じて、起こりやすいトラブルだけを対処するのも一案です。

例えば、私の仕事用のPCでは、誤操作でデータを失うことが最も大きな脅威です(誤って削除したり、上書きしたり……)。
そこで、仕事用PCでは、1日1回、作業フォルダの複数世代のコピーを自動的に作成する設定にしています。

誤操作以外のトラブルに対処できませんが、仕事用の重要データは、大半がクラウドや共有フォルダにあるため、万一の場合でも何とかなります。

バックアップは大丈夫?

皆様はデータのバックアップ、大丈夫でしょうか?
PC本体はお金を出せば買い直せますが、自分が作ったデータはどこにも売っていません。

ハードディスクにせよ、SSDにせよ、ストレージは恒久的にデータを保存できるわけではない「消耗品」です。

この記事を読んだ機会に、大切なデータのバックアップについて、見直してみてはいかがでしょうか。