第15話 野球漬けの日々

中学校から始まる部活動。僕は野球部に入部した。

遊びではいつも田んぼで野球をしていたが、きちんとした練習は初めてなのでとてもウキウキしていた。真新しい練習着にスパイク、西部ライオンズの秋山モデルのグローブを買ってもらった。

野球部はとにかく礼儀やあいさつ、大きな声を出すことがとにかく基本で厳しかった。野球場に入る前に、場所にあいさつ。先輩にあいさつ。顧問の先生が来るたびにあいさつだった。

一緒に入部したメンバーは、ほとんど小学校からスポーツ少年団の野球チームに所属していたので僕ともう3人だけが中学からスタートだった。なので、いつもボール拾いしかさせてもらえなかった。

いつも綺麗なままの練習着だった。他のみんなは土まみれなのに。
僕は悔しいので、誰よりも声を出し続けてアピールしていた。途切れることなく叫び続けてうるさいぐらいに声を出していた。

練習は暗くなるまで行い、自転車で帰るころには暗くなっていた。それでも毎日15Kmを自転車で通った。

家に帰るとすぐに、ご飯を食べて庭でバットを持ち素振りをした。お風呂に入っている時もマンガで読んだ筋トレを真似してやっていた。

僕の中学校は、春に運動会が行われる。グランドの土手は桜並木になっていて、ちょうど満開でとても綺麗だった。僕は部活で毎日大きな声を出しているので、運動会の応援委員に立候補した。

応援委員は、組頭や副組頭と共に、応援や応援合戦のパフォーマンスを最前列で行う花形だった。僕は最初の顔合わせの時から、大きな声でアピールしていたので先輩方から可愛いがられていた。

そして僕は、小学校時代は運動が苦手だったが、毎日の自転車通学と家での個人練習のおかげか急に走るのが速くなっていた。なので、リレーメンバーにも選んでもらった。僕の組の南軍は、優勝することができた。

その時の活躍を体育の先生が見ててくれて、陸上部にも召集を受けることができた。朝早くに学校に行き、陸上部の練習をしてから授業を受けて、夕方からは野球部の練習をした。

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