第四話 探検クラブ

小学校にも慣れてきて、とっても楽しい夏がやってきた。

僕は夏が大好きだ。空は青で透き通り、大きな真っ白な雲はテレビでみたアニメのようだ。冬はとっても寒いし、すごく薄暗い色になるから苦手だ。

この年新しく赴任してきた校長先生は、とっても楽しい先生だった。

ある暑い日に僕たちが授業をしていると、水着姿で首にタオルを巻いた校長先生が教室の入り口に現れた。

「今日は暑いからプールに入ろうよ!!」

「何を言ってるんですか!!校長先生!困りますよ、今は授業中なんです!!」と、

担任の先生に校長先生はこっぴどく叱られていた。

毎日給食の時間に配膳をしていると、校内放送が鳴った。

「今日は3年生のひでのり君と、ともき君と、まいさんは校長室に給食を持ってきてください。」

僕は不思議に思ったが、呼ばれた3人で給食を持ちながら校長室に向かった。そして、校長室のフカフカのソファーに座り、3人を眺めるように校長先生も座った。しばらく、授業はどうかなどと他愛もない会話をしながら4人で給食を食べた。

食べ終わるとおもむろに校長先生は、手品を始めた。

右耳に白いチョークを入れて左耳から貫通させたかのように見せたり、握ったコインを消して見せたつもりが袖からコインを落としたり、とっても下手くそな手品を昼休み目いっぱい披露してくれた。

しかも、呼ばれる生徒は変わるが毎日それは行われた。とにかく遊ぶのが大好きな校長先生だった。

放課後になり、僕たちはグランドで野球をして遊んでいると校長先生が窓から紙飛行機を投げては邪魔してきた。

僕は急いで校長室に行き、校長先生と一緒になってグランドのみんなに紙飛行機を投げて遊んだ。僕たちといつでも真剣になって遊んでくれるとっても楽しい校長先生だった。

ある日、校長先生と担任の先生が探検に行こうと僕たちを連れだした。

校長先生はいつだって突然だった。そして、午後からの授業は近くの林に行ったり、農業用水のトンネルを探検したりして遊んだ。

これがその後、探検クラブになった。もちろん僕は、部長になった。




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