#8 悪い感情を捨て、心を清らかに保つ
さて今回の話題は、
仏教は何を求める教えなのか
何を私たちにもたらしてくれるのか、ということですが、
七仏通戒偈という偈文
に書かれてある通り、
諸悪莫作
衆善奉行
自浄其意
是諸仏教
これは、悪しきことをやめ、善きことを為し、
心を清らかに保つ、
とても端的に言うとこうです、という言葉です
でも私たち人間は、いろいろなことを、
あらゆることを考えます
怒ったり、嫉妬したり、妬んだり、
後悔したり、見栄を張ったり、
本当にもう様々ですね
これら、いわゆる悪い感情を、大きく３つに分けて
「貪・瞋・痴」と言います
これは、お経の中でもたくさん出てきますね
私たちは、私たちの心で思うように生きていける
これが幸せだと感じています
しかしそれは、本当の幸せには繋がりません
私たち自身の心の声に従うと、
たいてい望んだ方向に行きません
私たちは、自分自身で思う心、
これに常に引きずられて生きています
誰でも、自分の心の思いは大事にします、
でも私たちの心って、意外と大したことを
思っていませんよね
誰かや、何か目にしたものに、流されやすい
誰かが美味しそうなものを食べていれば、食べたいと思う、
素敵なものを持っていれば、欲しいなと思う
例えば、嫉妬する気持ち、これは何でしょう？
これは瞋になります
何故かというと、自分が望むもの、あるいは欲しいものを
他の人が手に入れている、ということにイライラするんです
いらだつんです、これが嫉妬です
つまり、怒りなんです
現代の心理学では、もっともっと細かく感情というものを
分けられていますが、仏教ではたくさんの検証を経て
この3つなわけです
痴というのも、無知、
つまり、何も知らないとか知識が無いと思われがちですが、
必ずしもそうではないです
迷ったり惑ったりするところでの、
この貪瞋を生み出す、
痴というところに関わってきます
まぁやはり、貪瞋痴
この３つともそれぞれ関わってくるわけです
これはいわゆる三毒とも言われますが、
ここから離れていこうとするわけですが、
これがなかなか難しいことです
この三毒が関わるところの、
煩悩というのもあります
だからこそ、自身の心の奴隷にならずに、
自分自身の生きる目標など（誓願）に向けて、
自身の心を自身の意思に従うようにしていく
これが大切ですね
とかなんとか、言ってきましたが、じゃあどうするの？
それが、「八正道」です
これは漢字の通り、8つあります
仏教というのは、ご存知の通り、こむずかしい言葉が
たくさんありますね
それをいちいち調べて、知識で覚えて、
「あぁそういうことなんだ」、ではなくて、
実際にやってみて、体を使って練習して感じていくことなんです
スポーツにしたってそうです
私は、野球をしていましたが、
ルールブックや参考書をいくら読んで、内容を理解して、
「あぁやって、ボールを投げるんだ」、
「あぁやって、来たボールをバットで打つんだ」と考えたって、
練習もしないで、大谷さんにはなれませんよね
滝行でいくら滝に打たれても、いくらお経を唱えても、
それだけでは身につきません
やはり、頭でわかったことを身体を使って実践して、
練習しなければ、何にも意味ないですよね
貪瞋痴は三毒です
毒ですから、誰かがじゃなく自分が壊れるんです
でも、私たちは本当に怖いと思っていないから手放さないんです
誰もが知るような怖いものなら、真っ先に捨てますよね
目の前の相手から、真っ赤な炭をふいに投げられたら、
ふっと反射的に手を出して、受け取るかもしれない
でも熱いです、ぎゃ～ってすぐに放り出しますよね
これはいいものだとポケットにしまいませんよね
それぐらい私たちは、本当に熱いんだ、
これを持っていると怖いんだと思っていないんです
現代では、なんでもスイッチ一つの時代になってきました
スイッチを押せば、お部屋が涼しくなる暖かくなる、
お風呂も沸く、食べ物もあったまります
さらに、ガスではなくＩＨで火も使わなくなりました
今の子供たちは、
物理的なこの火というものの怖さも知る機会が無くなっています
実際に火の怖さがわからない子供もいます
これがどれほど恐ろしいことか
火というのはものすごいエネルギーです
あらゆるものを焼き尽くします
私たち人間は、これほどのエネルギーを身体にまで持っているんです
それは自分すら焼いてしまいます
それが、本当に怖ければ、放り出しますよね
私たち人間は、聞いただけでは怖いとなかなか思えないんです
What are the bad feelings that are destroying you without knowing it?
知らず知らずのうちにあなたを破壊している悪い感情は何ですか？
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