2020年・改正個人情報保護法の概要(全体像編)
1 はじめに
2020年6月5日、個人情報保護法の改正を含む「個人情報の保護に関する法律等の一部を改正する法律案」が成立しました。そこで、今回の改正を記念(?)して改正個人情報保護法について自分の復習も兼ねて書いてみます。
とはいっても今回の改正内容はかなりボリュームがあり、また細かい規定もありますので、まずは「全体像編」ということで改正内容の全体像を見ていこうと思います。
2 改正内容の全体像
今回の改正内容のうち企業に関連する主な項目は以下のとおりです。
大まかに全体像のイメージを持つことが大切だと思いますので、細かい内容には触れていません。
細かい内容については後日、各論編で書こうと思います。
⑴ 情報の「利用」の場面
-違法・不当な行為を助長・誘発するおそれがある方法による「個人情報」の利用を禁止する。
⑵ 情報の「提供」の場面
-オプトアウト規定によって第三者提供可能な「個人データ」の範囲をより限定して「不正取得された個人データ」や「オプトアウト規定によって提供された個人データ」は対象外とする。
-「個人データ」の共同利用における通知・公表事項に「責任者の住所」と「法人代表者の氏名」を追加
-「個人関連情報」を創設した上で、個人関連情報データベース等を構成する個人関連情報の提供に当たり、当該情報が提供先において「個人データ」として取得することが想定されるときは、第三者提供についての本人同意(外国にある第三者に提供する場合には一定の情報を本人に提供することを含む)が得られていることの確認を義務付ける
⑶ 情報の「漏えい等」の場面
-「個人データ」の漏えい事案等における報告義務と本人通知を義務化
⑷ 情報の「開示請求等」の場面
ー「保有個人データ」の6か月要件の撤廃して開示請求等の対象情報を拡張
ー開示請求の対象情報の範囲を拡張して「個人データ」の授受に関する第三者提供記録についても開示対象に含める
ー「保有個人データ」の開示について電磁的記録によって提供することを請求可能とする
ー本人の権利・正当な利益が害されるおそれがある場合における個人データの利用停止や第三者への提供停止の請求権を創設
⑸ 個人データの越境移転
-「外国にある第三者」に対して「個人データ」を提供する場合において、当該外国の個人情報保護制度などの一定の情報の本人提供を義務化
⑹ 仮名加工情報
-「仮名加工情報」を創設した上で、様々なルールを定める
⑺ ペナルティ
-法人の罰金刑の引き上げ(最高1億円)
3 感想
うーん、内容がてんこ盛りですね・・・。
特に「個人関連情報」と「仮名加工情報」については、とてもテクニカルな条文になっています。。。
次回からは各論編ということで、改正内容を細かく見ていこうと思います(ボリュームがあるので各論編は何回かにわける予定です)。
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