口腔顔面痛マネジメントにおけるNatural Agents

当院のフェイスリリースコースが好評だ。

最も多いご依頼が歯列矯正や就寝中の歯ぎしりによる顎関節痛と顔面痛、次は運動時の食いしばり。
中にはよく寝れるようになるからという方もいる。

あまり認識されていないが、カイロプラクティックをベースとする徒手療法は顎関節症やそれに伴う顔面痛や頭痛に効果を発揮することが多い。
顎関節はもちろん頸椎から頭蓋骨、関連筋群や神経の細部までアプローチできる治療は少ない(カイロプラクターの中でも少ないが)。

当院データでは、口腔顔面痛のお問い合わせは圧倒的に女性が多い。
これは過去のデータとも一致しており、一般に口腔顔面痛の有病率は女性で高く、痛みの主因は歯科疾患であることが非常に多いとされている。

口腔顔面領域の痛みは、口腔内などの様々な刺激によって侵害受容器が刺激されることによって引き起こされる”侵害受容性疼痛”である。
また、急性顔面痛の主因は一般に下顎枝と上顎枝を介した三叉神経で深部疼痛をもたらし、歯髄炎など他の構造の関与や炎症はかなりの痛みと不快感を引き起こす。
痛みの知覚は中枢神経系と末梢神経系の双方向のシグナル伝達を伴う複雑なプロセスで、痛みの神経インパルスは顔面構造に対する刺激の結果として発生し、三叉神経(V)の眼神経(V1)、上顎神経(V2)、下顎神経(V3)の3つの枝、顔面神経(VII)、舌咽頭(IX)、迷走神経 (X)、頸神経(C1、C2、C3)といった痛みの求心性経路に沿って伝導される。
中でも三叉神経は口腔顔面領域の最も重要な神経で、非常に感覚的で反射性の高い神経である。

口腔扁平苔癬(OLP)も口腔粘膜病変や口腔顔面痛の原因となり、顎関節構造自体の炎症や劣化により侵害受容性疼痛が顎関節から発生することもありえる。一方で、神経障害性疼痛は推定有病率が1~1.5%程度で、末梢神経系や中枢神経系の一次または二次病変によって決まり、口腔内灼熱症候群(BMS)、三叉神経痛、帯状疱疹後神経痛などの疾患は診断と治療が難しい。特にBMSは原因となる器質的疾患が無いのにもかかわらず、口腔内の灼熱感が持続する疾病で、患者さんのQOLに大きな影響を与える。

口腔顔面痛に対するアプローチとしてブレースなどの口腔内装置などメカニスティック・アプローチが最も広く用いられているが、場合によっては治療される痛みの起源や病態に関する正しい鑑別診断がなされないまま実施され、治療の失敗につながるケースもあるようだ。

今回の記事では口腔顔面痛症状における抗炎症作用や鎮痛作用のある天然物質についてまとめてみたい。
”通常医療のみ”、”カイロプラクティックのみ”だけでなくそこに栄養療法も加えることでBearing Effectが得られる可能性が高い。
特に栄養療法(特に天然物質)は過度の副作用を伴わずに関連症状を解決または軽減できる。

今注目されている成分に

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