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オタク生活55年が語る若きクリエイターを”AWAKING"=覚醒させるヒント㉗

少女マンガ×アイドル×特撮アクション×ブラスロック=
『スケバン刑事』シリーズ

昨日の記事は、自分でも“うわあ、思いっきりサワリしか語ってないな~と、好きゆえの失敗でしたので、これはそのうちリベンジすることにします。

ですので、今日は反省して連続テレビドラマ(及びスピンオフの映画)『スケバン刑事』についてのみ書きます。

和田慎二さん原作の『スケバン刑事』は、早くから読んでいて単行本も全巻保有していたくらい“学生刑事”と“桜の代紋が刻印されたヨーヨー”の設定、うなじの上で結んだ長い髪の“麻宮サキ”が面白かった。
特に原作第一部、三匹の蛇・海槌三姉妹編のクライマックス=船上での海槌麗巳との決戦は燃えた~!少女マンガとは思えぬ活劇を楽しんでいたのだ。
人気がありすぎて、死んだと思ったサキが生きていて戻ってくる2部には、おい!と突っ込みを入れつつも、信楽老との最終決戦を経ての最終回まで楽しく読み終えたのだ。それが1982年。感動して、終わっている

ところが、1985年。なんとも恐ろしい情報が、熱心な『スケバン刑事』ファンの僕を襲う。なんと、実写化される。しかも斉藤由貴主演で。
すさまじい衝撃だった。
衝撃は、嬉しかったからではない(笑い)。究極のミスマッチだったからだ。友人が冗談を言っているとしか思わなかった。

ミスマガジンのグラビアで発見し、明星のラーメンのCMで可愛いなと思っていた斉藤由貴が嫌いなわけじゃない。もしろ、その後の朝ドラ『はね駒』や『恋する女たち』『トットチャンネル』『優駿 ORACIÓN』などの作品をリアルタイムや劇場で見ているのだから、それなりの御気に入りだったのだと思う。

ゆえにミスマッチが耐えられない。そう思ったのは僕だけでなく、かなり最初の頃はバッシング(今みたいにネットがあったら確実な炎上案件だったが)がすごかった。僕も怖がりながら見ていた気がします。
感想は…まあ、原作で惚れた麻宮サキはどこにもいない(笑)ストーリーラインは、感動した“三匹の蛇・海槌三姉妹編”なのにだ。
普通なら、ここで視聴を打ち切るが、同時期に僕は『不良少女と呼ばれて』『スクール☆ウォーズ』などの“そりゃ、ねえだろ!”との突っ込み満載のテレビ番組を楽しんでいたので“まあ、アイドルもんだからなぁ”と半ば諦めの目で見ることにしました。

すると、まず『スペクトラム』の新田一郎によるトランペットがバリバリなるブラスロックのBGMがなんとも言えない下世話な感じ!(最上級の誉め言葉である。その証拠に、扉画像のようにCDボックスを買うくらいに好きである。)ある種『サンダーバード』やアニメに共通する、世界観の巨大さを無理やり音楽で上げまくり、大して演技していないアイドルを何とかしようとしているのだ。
そして、その音楽を使って“なんか、癖になる…”斎藤由貴の『スケバン刑事』は半年感続く。まあ、でも、この作品は原作ストーリーを使ったアイドルドラマの枠を超えていない。

スタッフも、そう思っていたのだろう。
オリジナルストーリーで行うことと、究極の運動音痴(撮影に入った段階では前転もロクにできなかった)だが、顔立ちが整ってアイドルとしては目つきが鋭い南野陽子を二代目・麻宮サキに起用するにあたって大改革に走る。
(と、言うよりも、みんなコッチが本命だったくさい)

“ビー玉のお京”と、袱紗と琴の爪を武器に使う“雪乃“が登場し、アクションシーンは増えるが、みんなのアクションは厳しい。そこでメイン監督の田中秀夫さん達は、かつての作品の演出方法を引っ張ってくる。『宇宙刑事ギャバン』の特撮カット割りが有り得ないアクションを演出していったのだ。

さらに下世話になった音楽に乗ってスタートした『スケバン刑事Ⅱ 少女鉄仮面伝説』は、特撮で培われたカット割りを使って絶大の効果を上げる。
①サキがヨーヨーを投げるバストアップ
②黒バックに飛翔するヨーヨー
③当たってうめく敵のクローズアップ
④戻ってきたヨーヨーを掴み(と言うかSEと、掴んで衝撃に耐えているようにテイクバックしているだけ)のバストアップ
① ~④を繰り返す。
加えてアクション途中のストップモーションの演出などが入った1~3話は新しい映像を産み出した。結果は、超がつく爆発的な人気!その作風は確立して、三作目に至っちゃ”忍者三姉妹ですよ~”

『スケバン刑事II 少女鉄仮面伝説』『スケバン刑事III 少女忍法帖伝奇』
TV3作目の放映中に公開された南野陽子主演の劇場映画『スケバン刑事』(いまや司会者としてのイメージが強い坂上忍が重要な役で出てます)、すべてのTV終了後に公開された『スケバン刑事 風間三姉妹の逆襲』とメガヒットに至ったってます。
(後番組が成果を上げられなかったのは、田中監督がTV終了後に“風間三姉妹の逆襲”にシフトしてしまったのと、別路線を狙いすぎたからだろうな。)

朝の特撮にイケメンや美少女が出演している現在。この手の作品が受けないのかも知れないけど、再び美少女活劇を見てみたいかな。

作品を語ってしまったために、かえって長くなりました。
明日は、逆に、好きすぎるマンガ家さんをさらりと語ります。


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