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オタク生活55年が語る若きクリエイターを”AWAKING"=覚醒させるヒント㉚

“セブン”は特別な存在②

昨日は幼児、小児から感じた“ウルトラセブン”の魅力について語りました。
第2弾の今日は、その続き。大人になって感じたシナリオの凄さの前に、子供でも感じる設定について語って行こうと思います。

そもそもが“ウルトラセブン”は、スポンサーである武田薬品から大人向きに作ってくれと言われて制作されたそうです。
その意向からか(昨日の最後にも書いたのだが)“ウルトラセブン”にはレギュラーで“ウルトラ警備隊”や“モロボシダン”に関わってくる子供がいない。これが、子供心に、それが大人のドラマと思わせていたのだと思います。
昨日、力説した“ウルトラ警備隊”の設定も “地球防衛軍” (TDFが英文の略だとは青年時に知ったのだが)極東支部のエリート部隊と言う設定であるので、練り込まれていたのだと思う。(ちなみに『ウルトラマン』の科学特捜隊は、国際科学警察機構の下部組織。そもそも怪事件調査の為の組織で、怪獣との戦闘は特別任務って設定らしい。それなら、あの軍備に納得だ。)

まあ、今、その細かい設定を知ってしまうと“いやいや、そんな凄い全世界規模の組織のエリート部隊が、いきなり”ただの風来坊“と名乗る正体不明の青年を基地に入れたり、異星人との戦闘後に新隊員として加入させるって、どういう事よ!”と突っ込みたくなるが、きっとウルトラセブンがスーパー能力で何とかしたのだろうと思うことにしている。(笑)
(わからない人は、第一話をぜひ見てくださいな)

そんな風に設定の“穴”を許してしまうのは、他の設定が良くできていたから
なのだろうと思います
。幼稚園時代のウルトラセブンごっこにおいて、僕らは大人の隊員のマネとしてゴンドラ型のブランコを、ウルトラホークに見立てて青んでいた。(太い僕はフルハシだったが)。実は、幼児が番組に出ている大人のマネをしたのは、制作側が“子供の分身”として設定したキャラクターがいなかったからだと思っています。

昭和の子供番組は子供を出しがちだった気がする。『高速エスパー』や『マグマ大使』など、子供が重要な存在で有れば意味はあると思うし『かえってきたウルトラマン』や『ウルトラマンA』のように、子供に訴えかける事を主眼にした場合は、僕も納得がいったが、意味もなくヒーローの周りにいた子供たちも…“仮面ライダー少年隊”とか(笑)。セブンには、そんな子供は存在しない。もちろん、各話で子供、少年、少女も登場して狙われたが“共感の強制が無い”のだ。“ウルトラマン”の場合、ハヤタやフジ隊員と仲の良い子供はホシノ少年と特定されてしまう。けど、“セブン”においては、自分も“ダン”や“アンヌ”に仲良くしてもらえる子供かもしれない。と、子供心に思えたのだと思います
逆に、だからこそ子供のオモチャで侵略しようとしたチブル星人が怖かったのだと思う。(ちなみにチブル星人のトラウマはビデオで見直すまで続いていた。ガッツ星人なみに強いと感じていたのだ。実際は、とてつもなく弱いのに…)

このチブル星人の回にしても、エレキングの回にしても『ウルトラセブン』の敵には女性の姿で現れたり、アンヌをはじめとする女性を狙う異星人たちも多く、それも子供にとってのリアルさを作っていたのかなと思います。

多分、無意識下で“アンヌ”は初恋の相手だったんでしょうね
恋愛や結婚など全くわからない子供ながら、アンヌをダンの相手として認識し、モロボシダン=ウルトラセブンに憧れる自分の相手として認識したんでしょうね。(たとえウルトラ警備隊ごっこでフルハシだとしてもね)
この設定のうまさが、相当数の傑作エピソードを生んだのだと思います。

やっぱり“ウルトラセブン”だと書くこと多いな。
では、1日の終わり。昨日は宇宙人とロボットだったので、本日は好きな怪獣。エレキング、怪獣戦車、ナース、パンドンかな。(ミクラス、ウインダム、アギラは別枠です)
明日は冬木先生による音楽から始めます。



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