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虫の知らせ
虫の知らせが来たとは良く言ったものでまさしく私も
虫の知らせが来た。今でも幼稚園からの友人と付き合い
がありちょくちょく会うのだが、いかんせんこのコロナ禍。ここ1年程会えておらず、たまに電話で元気かとお互いに近況報告する程度だった。
昨夜ふとどないしてるんやろとお思い仕事帰りのサービスエリアから電話してみた。かけた時は繋がらずしばらくして折り返しの電話があった。
「おう久しぶり」 「元気か」たわいもない会話を交わす。友人が「実は今日親父が亡くなったんや」と切り出した。「えっ!そうなんや」「大変やったなあ」ありきたりの言葉のやり取りが続く。
ふと友人がこんな日に電話くれるやなんてこれが「虫の知らせちゅうやつやな」と友人が呟く。「ほんまやなあ」「付き合いも長なったらこんなこともあるんやな」とお互い不思議な感じがしていた。
思えば友人の親父さんは昭和の頑固親父を地でいく風貌で私の地元のTHE大阪の下町に見事に溶け込んでいた親父さんだった。
口数が少なく私たちが遊びに行っても挨拶程度しか交わしたことがない見るからに不器用そうで、でも面倒見の良さそうな親父さん。
「おっちゃん、オッチャンの息子は立派な強い大人になりよったで!何の心配もいらへん」
「ほんでこんな俺でも仲ようしてくれる息子に育ててくれてありがとう!」
帰宅後オッチャンが住む東の方を向いて心を込めて手を合わせる48歳。合掌。
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