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馬の背をなでる

誰もいない部屋で音楽をかけることがあって、それは朝起きてキッチンでコーヒーをいれている間、iPhoneはその時々の気分にあったプレイリストを私が不在の部屋で鳴らし続けるという感じで、その微かな音量での音楽が、キッチンまで聞こえてくる日もあれば、聞こえない日もある。

お風呂に入っている間もずっと音楽をかけている時もあって、でも、外出するときに音楽をかけたまま出かけることはなくて、聞こえていないけれど、空間に音楽が流れている、という事実が必要な時がある気がする。

雨上がりの公園は水分を含んだ緑と土のにおいでいっぱいになって、いいにおいだった。
雨上がりのにおいをいいにおいだと思ったのは初めてだった。

それで私はアイスクリームが食べたいとずっと考えていて、ソフトクリームを買うのだけど、手渡されたコーンの上には下手なぐるぐるが乗っかっていて、今にも溢れ出しそうだった。

帰り道、すべての歯が痛い。知覚過敏なのかもしれない。前歯から奥歯まですべての歯が痛かった。

コーヒー豆を買って帰った夜

のどがかわいて目が覚めた。夜中、キッチンへ行くとコーヒーの香りがしてきて、この香りを知っていると思った。
なんの香りか考えてみると、それは飛行機の中のにおいとおなじだと気がついた。

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