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陽があたる場所ばかりを探している

平穏な生活を送るために、救いになるようなことばかりをしている。なにも考えないで済むように、隙間なく救いで埋め尽くすような生活を送っている。そうでもしないと、憂鬱の浸食を止められないと思った。

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眠る時間を削って読書をすることにした。同じ行を何回も読んでしまうくらいに眠くなったら本を閉じてそのまますぐに眠りに就けるように。

髪を乾かす時に大きな音で音楽を聞いたりラジオを聞くことにした。歌いながら時々笑ってしまいながら、そうすればなにも考えなくて済むように。

日記を書くことにした。パソコンに向かって、きょうのできごと をひたすらに書いていく。その途中で、うれしかったことを反芻したり、結構な頻度で反省をする。思い出したくないことは書かないことにして、でも何年か経って、懐かしめる日が来そうなことだけ、出来事とかその続きの日々とか考えを書いている。

それから、ひとりで勝手にインターネットでお店屋さんを開いた。なにもかも、メールアドレスもSNSアカウントも告知の文章も時間もなにもかも、ひとりで勝手に作り上げた。誰も見ないかもしれないことに時間を割いてパソコン作業をずっとしていた。

そこでもまた日記を書いている。毎日、21時。

なにもかもが祈りで、自分の救いになりそうなもので片っ端から生活を埋めてみた。

そうしたら、少しだけましになったような気がした。

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忘れないために日記を書いているけれど、本当はなにもかも忘れてしまいたいことばかりなのかもしれない。でも思い出しても平気でいられるくらい強くなりたいとも思う。

たぶん旅が必要で、友だちとの会話が必要で、晴れた日に写真を撮ることが必要で、好きなだけ本を買うことが必要で、新しくタトゥーを入れることが必要で、着たい服を買うことが必要で、もっともっと本を読むことが必要で、

それら全てが救いで祈りで、それで大丈夫な日々がやってくると信じている。

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