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飛行機雲で半分の空

時間が経つのは早いもので、気づけば夏ももう半分以上が過ぎてしまった。
梅雨が明ければ毎日存分に太陽の光が差して、みるみる日焼けして、みるみる洗濯物が乾いていく。
毎日同じようで、少し違う日々を過ごして、きょうも一日が終わる。

誰かの心ない一言に、ひとりドキッとしてそれでもそんな言葉が溢れる世界で生きていく。
どんなに気をつけていても聞きたくない言葉は世界中でとめどなく吐き出されていとも簡単に鼓膜に滑り込んでくる。
時々、もう誰もいない山奥でひとり、ひっそりと、自分が知る限りの言語だけで生きていきたいと思う。きっと寂しくてすぐに山から降りてきちゃうんだろうな。

行きたい展示会もイベントも全て逃して、夏の幻みたいにこの街で過ごしてみようと思っていたら、少しの秋もこっちにいることになった。
誰一人知り合いのいない、知らない場所で暮らしたいと思って選んだ場所だったけど、周りの人たちは家の畑で採れた野菜をくれたり、ご飯に連れていってくれたり、本当に良くしてくれる人ばかりで、やっぱり人間が好きだな、と思う。
ばかみたいな冗談も、大切なことも、口で伝えられて本当にうれしい。あと、たこ焼きが食べられるのもうれしい。
いきなり魚をさばく友達がいるのもうれしい。

大人たちも子どもたちも真っ黒に日焼けして、はしゃぐ海辺で、好きな音楽を聴きながら今日もひとり海辺の部屋に帰ろう。

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