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リュックひとつとびんに入る少し

断捨離をしたい。
仕事を辞めたので、時間がある。
とにかく毎日時間がある。
辞めて1週間は、東京へ遊びに行ったり、京都へ行ったり、ギャラリーを巡ったり、色々と予定を組んで動いていたけれど、どうやっても時間がある。
あぁ、人間ってやることを見つけてこないと、こんなにも時間があるんだな、と思った。(人生で数回目)

そして、断捨離をしたい。
服から物から色々と捨ててしまいたい。
あとは人から借りていてずっと返す機会を失っているものたちを返したい。
こういうものはみんなどうしてるんだろう。
本やらCDやらの借り物たちは、持ち主の元へ帰る日を待ちわびて、部屋の隅に眠っている。

しかし、断捨離をしたい。
去年の引っ越しの際に結構捨てたけれど、まだ捨てたい。
お金がなかった学生時代にコツコツと集めたコピックを手放したいし、プチプラだからと集めたネイルポリッシュもこんなにいらない。
急遽着替えが必要になった時に買った服を捨てたい。
大量のレターセットは、全て手紙にしてポストへ投函したい。

本が捨てられない。
本は捨てる気も売る気もない。
私には、将来小さいカフェを持ちたい夢がひっそりとあって、そこに私が人生を通して集めてきた本を全て置きたいと思っている。
私ひとりの人生なので、集められる本もたかが知れてはいるのだけれど。
でも、みんなに読んでもらいたい良い小説や、きっと好きだと思ってもらえる世界観の漫画、そして数冊だけど素晴らしい写真集があって、いまは、みんなに見てもらえる日を本棚で静かに待ちわびている。
引っ越しの度に、本棚のことを考えると少し憂鬱になるけれど、でもこれは幸せの憂鬱だ。
こんなことを言っているから、ほかのものも捨てられずに結局断捨離が進まない。
前に上司に借りた、BOSEさんが断捨離をしようとする本みたいだ。

一度くらいは、リュックひとつに、あと、びんひとつ分くらいの荷物だけで、どこかで生活してみたいな。

夜中の捨てられない話でした。

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