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横断歩道の島に取り残されて
ミナミの街を歩く。
昨日はそんな一日だった。
知らない道、知らない曲がり角、知らない酒屋、急に現れる知っている道。
私の好きな作家さんのお話によく出て来る場所は、私が過ごした大阪と割と違って、ミナミに詳しい案内人に少し嫉妬した。
人はきっと、家族にも恋人にも友だちにもすくえない孤独を抱えているし、声は届かないまま自分の中で少し反芻されて、今日がまた始まる。
月曜日が祝日の日曜日の夜は、どこまでも遠くへ行けそうなくらいに元気で、でも月曜日になると出掛けない。
誰からも逃れて遠くへ行ってしまう人になることは、急に動けなくなってしまうことは、きっと誰しもにある、と、そう思うと自分の心許なさが、他人の心許なさが怖くなる。
行きたかった個展、見てみたかった景色、聞きたかった音、それらを逃しながら深夜にひとり、爪をしたてて明日を生きる準備をする。
今週は有給取ったから元気だもんね。ヤッター
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