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夕方の散歩、溶けかけのアイスクリーム

朝起きて外が晴れていたらうれしくなる。
きょうも洗濯物を外に干してしっかりと乾かせるから。
都会の日陰では、乾かない洗濯物も海辺の田舎町ならすぐに乾いてしまうのがうれしい。
そんな生活とももうあと半月と少しでさよならだ。
まさか見知らぬ土地で3ヶ月と半分も過ごすことになるなんて、夏が始まる直前まで知らなかったな。

夏という季節はいい。
記憶に残りやすくて、儚い。

あんなにたくさんの人がいた浜辺も、今はもう地元民のものだ。
まだ暑さの残る日々の中、京都で買ったサイダーを飲みながら坂の下の海まで歩いて、足だけ水につけて帰ってきたり、シャワーを浴びたら冷やした部屋でアイスクリームを食べたり。

短いのか長いのか、一度きりの人生で、
時々、自分以外のものも背負いながらこれからどういう風に過ごしていこうかな、と西陽がさしこむ部屋の窓辺で考える。
でも、なにをしたってきっとわたしは馬鹿みたいに笑っていそうだし、周りの人もきっと一緒にお酒を飲んで笑ってくれると思うと、なるようになるさ、ということになってしまって、結局、気になる本の続きを読み始めてしまう。

帰ったらいろんな人に会いたいな。
写真を撮らせてね、と言った人たちに
次は青髪にするわ、と言っていた人に
帰ってきたらすぐどこか行かずにしばらくここにいて、と言ってくれた人に
もっとあちこち行った方がいいよ、と言ってくれた人に
10月に合流ね、と言ってくれた人に
大阪で会いましょう、と言った人に

よし、夕方のお風呂でもしよう
そしてまた、海を見に行こう

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