自己認識的大犯罪

自分のことを気持ち悪くて醜い人間と自覚できているはずでした。まさかここまでとは思っていませんでした。私には妻と娘2人がいます。性犯罪というほどではありません。法には裁かれません。かといって法の抜け穴かと言われると、そういうわけでもありません。普通の人が何も考えずにする分には問題のないことなのです。日常生活で、何百万という人が同じことをしています。当人に至っては気付くはずもありません。私のことなんか知覚すらしていないでしょう。しかし、私は犯してしまいました。私は知らない女性に対してしたくないことをしてしまったのです。

問題は、私が意図をもってしてしまったことです。

私は、それから自己嫌悪に苛まれました。他人が憎ければ和解するか殺すかなのですが、今度は自分が憎いのです。とりあえず死のうと思いました。妻と娘には悪いことをしたと思います。残念なことに、この世界の約束によると精神と身体は別らしいです。問題は身体ではなく精神なので、死んでも意味はありませんでした。

その後、生まれ変わりました。自己嫌悪に苛まれたままでしたので、私に女性を愛する資格なんてないと思ったのですが、残念なことに、私には好きな人ができました。愛してはいけないという気持ちと、ああ好きだという気持ち、二つの相反するものが私を覆いました。と思っている間に、なんと両思いだったみたいです。少し考えて、付き合いました。喧嘩もしました。結婚しました。娘ができました。

また、同じことをしました。文字に表せないほど自分が嫌いになりました。今度こそは本当に精神ごと切り捨てたいと思いました。そんなことは不可能なのです…死んで、生まれ変わりました。今度は女性なようです。

高校生になりました。電車に乗っていたら、隣の席に社会人ぐらいの男の人が座りました。

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