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水中写真と構図について考える② ~パッと見た時にオッとなる構図~


こんにちは、上出です。
第2回の今日は、事前にいただいた質問について考えていきましょう。

質問は以下の通りです↓

パッと見た時に、おっ!!ってなるというか印象的になるというか、そんな魔法の構図ありませんかね…
もちろんおって感じるのは構図だけじゃなくて色とか魚の表情とか要因は他にもいろいろあるのだと思うのですが。

まず、質問の後半にもあるように、写真を見た瞬間に「オッ!」と思うのは、構図以外の要素も大きいはずです。
色々ありますが、明るさや色、生物の表情や動き、などなどでしょうか。

ここではあえて「構図」だけに着目して考えていきましょう。
先に言っておきますが、答えはありません。というか、少なくとも今の僕にはわかりません。

前提ばかりで恐縮ですが、「オッ!」と思う構図というのは、人によって違う気がします。
普段見慣れている構図を見ても何とも思わないけれど、自分が使ったことのない構図を見たらはっとする、みたいな感じです。

構図から受けるイメージはある程度決まっていますが、その構図がどれくらいのインパクトをもたらすかは、写真を見た人の知識や経験、感性にもよるのではないでしょうか。


ここまでの話は、特に内容はありませんでしたね。
オッとなる構図について、具体的に考えてみましょう。
今日は3つ上げてみようと思います。


①構図っぽい構図

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写真を見た瞬間に「おーなんか構図がいい感じっぽいなー」と思う写真ってありませんか?
これってもしかすると、変な言い方ですが、写真が構図っぽい、つまり構図を意識しやすいんだと思います。

例えば上の写真。
何だか、構図が緻密に計算されてそうじゃないですか?
もしそう感じてくれたとしたら、おそらくそれは、写真の中に線をイメージしやすいからだと思います。

サンゴの形が特徴的だったので、ファインダーを見ながら線が綺麗に並ぶような構図で撮ってみました。
なので、特別難しい構図の知識や技術を使ったわけではありません。
○○構図という平面的な型で言うと、ファイグリッドに当てはめただけです。

「線を意識させる」ことで、見た瞬間に「構図に何か意味がありそうだ」と感じさせることができる!
かもしれないよ、という話でした。

「線」というのは構図を語るうえで非常に大切な要素なので、またどこかの回で細かく触れますね。
ワイドでも同じだよねという意味で、マングローブの写真も載せておきます。

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②色んな要素が組み合わさった構図

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第1回で、○○構図的なものは下記の5つを覚えればとりあえずOKという話をしました。

・日の丸構図
・対角線構図
・三分割構図
・ファイグリッド
・四分割構図

これ、別に1つずつ使わなきゃいけないわけじゃなありません。
いくつか組み合わせて使うことも可能です。

例えば上のウミヒルモの花の写真。
花がファイグリッドの線に重なるようにフレーミングしています。
なので、これは何構図ですか?と聞かれたら「ファイグリッドです」と答えるのがまあ正解なのかなとは思います。

でも皆さん、もうお気づきですよね?
ウミヒルモの葉っぱと海の境界が、なんとなく斜めの線になっています。

葉っぱと花という動きの少ない被写体だったので、写真に少し動きを出したいなと思い、あえて海の青が斜め半分になるような「対角線構図」にしました。
こうやっていくつかの構図を組み合わせることで、パッと見のインパクトをあげられる、のかもしれません。
(インパクトを上げることがそもそもの目的かどうかは別として。構図を組み合わせることで、別の効果もあるはず。)

もちろんワイドも一緒です。
下のカメの写真は、日の丸構図を基本に、左下から右上に斜めの線を引いています。

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③一言では言い表せないが完璧な構図

①と②は、基本的には平面上の話でした。
でも実際には、構図というのは奥行きもあるわけですし、余白を生かしたりもできますし、パッと見では気づかない見えない線が引いてあったりもします。

第1回でも触れた歴史的な名画というのは、ほんとーにたくさんの要素が完璧に配置されているらしいです。
もしかすると、「パッと見た時にオッとなる」というのは、そういう完璧さによってももたらされるのかもしれません。

水中写真でどこまでできるかは別として、第3回以降では、できるだけその完璧さに近づけるように、色々な要素を深掘りしていければと思います。
自分でもまだ「完璧な構図」なんてわかっていないので、③の作例はありません。

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ここまで「パッと見た時にオッとなる構図」について考えてきました。
最初からちょっと難しかったですかね…まあでも、こんな感じで一緒に悩みながら進めていければと思います。

さて、いただいた質問には直接入っていなかったかもしれませんが、「奥行き」や「線」という要素について先に触れておいた方がいいような気がしてきました。
なので、第3回、第4回はその辺のテーマを扱っていこうと思います。

「トリミング」や「背景や環境をどう入れるのか」、「ルール外し」や「用途ごとの使い分け」については、その後考えていきましょう。

こんな感じで、質問から適当に派生していきますので、とりあえずついてきてもらえたら嬉しいです。
ではまた!

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