夏が来れば思い出す 失言大魔王の悪癖
あれは整体業界に入りたての頃。基本的に担当制の施術院で他のスタッフが受け持っているお客さまは施術しなかった。ところがその日はあろうことかNさんがダブルブッキングしてしまった。誰かがフォローしないと。
しかし皆んなその時間帯は施術に入っていてフォローは不可能。Nさんが事情を話し予約時間から15分遅れでなら別のスタッフが入れる旨を説明。そのスタッフというのが私。いつの間にか話が進められていて急遽出番。
元宝塚娘役の受付嬢から指示され上の階の施術室まで階段を駆け上がる。何の情報もなくカラダを触れるのって怖いんだけどな~ とブツクサ。
「お待たせいたしました」 分かっているのは名字まで。仕方ない、施術しながら確認していこう。何も考えずに肘を施術しながら「いい感じに焼けましたね~」と明るく言った。
「これ地黒なんです」
終わった・・・・・・。あ~ なんて失言をしてしまったんだ。このアホたれが!!
あまりのショックで口も手もフリーズしてしまった私にこのお客さまは続けて「よく言われるので気にしないでください」と逆にフォローされる。
プロとしてあるまじき姿。100%私が悪いのでそんな気を遣わないでください。いっそボロクソに罵ってくれー! でないと思ったことを口に出してしまう悪癖は直らんぞ。お陰で裏表がないとも言われるが、昔から失言大魔王。
普通の状態なら言わなかったはずだが、その前のお客さまのときに日光浴をするとビタミンDがどうたらと覚えたての健康情報を話したばかり。新人だからって許される問題ではない。以後は相当気をつけるようになった。
早とちりからの失言
私の辞書に「反省」という文字は無いようだ。昨年しでかしてしまった失態。歳を重ねるだけで何も学習していやしない。
「今度、名字がSに変わって住所もここに移ります」と変更届をいただく。何となく名字に見覚えがあって連絡先を管理しているエクセルを開いてみると住所も一致。以前いらしたその○○さんと年齢も近いし間違いない!
「この度はご結婚おめでとうございます」祝福の言葉を述べると・・・。
「実は離婚しまして実家に戻りました。○○は兄になります」
背筋が凍るとはこのことよ。離婚のことを相手から話させるなんて最低な野郎だぜ。だがSさんは離婚のことを隠すつもりはさらさらなかったようで「気にしてませんよ、既に人生経験として切り替えています」と。
なんて心の広い方なんだ。いやいや、そんな感心している場合じゃないぞ。毎度相手にフォローばかりしてもらってはダメだろ、反省しなさい!
困ったことに上記は過去の失言のほんの一部である。
さて、こんな失言大魔王の私が改心することはあり得るのだろうか?
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