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時代とともに好まれる味が変わっていく

飲食店経営の方と会話していた。「そういえばこの間久々に鉄臭いマグロを食べたわ。美味しかった~」と。おそらく天然本マグロと思われる。一緒に連れて行った20代の従業員にはその美味しさが分からなかったみたい。独特の風味なので平成生まれには難しかったか。

これはマグロに限らず天然モノの味が好まれなくなった時代背景かもね。鰻(うなぎ)も同じで若者は養殖で脂のたっぷり乗ったものを好む。早く太らせるためには人工的に餌に油を混ぜる。すると稚魚から約半年で出荷できるようになる。99%養殖になってしまった現代、鰻になんてものはなくなった。一般的な魚類は冬になって水温が下がると本能的に脂を蓄えようとする。だから天然モノの鰻の旬は冬なのである。

寿司屋ではいつの間にか「とろサーモン」というメニューまで出てきた。昔はサーモンなんて寿司ネタの下位だったのに現代では必ずトップ3に入っている。サーモンも養殖率は約80%。

飲食店としてはわざわざ高級な天然モノを仕入れて満足してもらえないんだったら、安価な養殖モノで「美味しい」と言ってもらえたほうが経営的にもいいわけだ。時代とともに好まれる味が変わっていく。

お米アレルギーの原因

山形県民の場合、お米に関しては昔の人ほどサッパリ系の『ササニシキ』を好んでいたが、今ではモッチリ系の『つや姫』が好まれるようになった。現代っ子は食物アレルギー持ちが多いと聞く。数少ないがお米アレルギーの子もいるようだ。モッチリ系の食感を好むからかな~

お米の主要成分はデンプン。その中には2つの成分(アミロースとアミロペクチン)がある。モッチリ系にさせるにはアミロースの含量を下げればいい。単純に含量を0%にすれば、もち米と呼ぶ。

アミロースが多くなれば糖度は低く、食感は硬くサッパリした旨味になりやすい。現代人でこれを好むのは少数。私もその一人。わざわざ長い年月をかけて求められてもいないそんなお米の品種改良をするわけがないよね。

モッチリ系のお米を作るにはアミロースの含量を下げればいい。時代が求めているのはモッチリとした粘り・甘みがあって程々の硬さのお米。売れるためには遺伝子操作で品種改良を行う。これはお米に限ったことではない。

不自然に作られたものを体質的に合わない人が食べればアレルギー症状が出る。カラダって頭いいよね~ 壊れる前に教えてくれるんだから。個人的にいくら食べても飽きないお米がカラダに合っていると思う。


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