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手に汗握った『木下大サーカス』

長年の夢を昨日叶えた。サーカスを目の前で見てみたかったのだ。私の小学校時代は米沢にもサーカス団が定期的に来ていた。記憶違いでなければ現在のケーズデンキ近辺に。見上げるくらい大きなテントの中へ入場していく人達を羨望の眼差しで見ていた。当時はクラスの中でもお金持ちの子しか行ってなかったと思う。

大人になり懐具合に多少余裕が出てきたが、そうなるとなかなか地方には来てくれないものだ。ならばこちらから出向くしかない。12月4日まで「世界三大サーカス」の一つ『木下大サーカスが仙台公演を行っている。会場は楽天生命パーク宮城のすぐ近く。電車でもクルマでもアクセス良好。有料だがテント周囲に巨大な駐車場があった。

自由席・指定席これは好みだよね。空中アクロバットショーを一番見たいという方は後方がいいし、ライオンや象を間近で見たいという方は迷わずリングサイドだな。私は視力がいいので多少離れていてもショー全体を見るためにロイヤルブルー席を選択。

何度失敗しても諦めない

約2時間のショーは一部・二部に分かれていて合間に20分の休憩時間がある。観覧者を飽きさせない工夫がされノンストップの進行。だから周囲にいた幼稚園児も集中して見ていたと思う。

会場に一体感が生じた瞬間があった。ステージの上で倒立をするショーだったが二度失敗してしまった。あれは超難しいよ。2本の棒の上に6個の手のひらサイズのブロックを重ねた状態でするんだから。しかもあのブロックは綺麗な平面じゃないね。一番下に置いたブロックには台との隙間が見えていたから。難易度を高めないと他のサーカスとの差別化にならないからなのか?

倒立するには両手を6個ずつのブロックの上に置いて、まずは両足を床から離し開脚に持っていく。二度の失敗はその最中に重ねたブロックが崩れて落ちてしまった。ただでさえ難しいのに目隠しまでしている。「目隠しなんて外して~」と念じたが、そこはプロ。会場に陸上の走り幅跳びのような手拍子を促して気持ちを奮い立たせていた。

三度目の正直。「おっ! 今回は違うぞ」開脚までの最中にブロックがグラつくのは変わらない。でも、2本の棒から手→前腕→上腕→肩甲骨まで綺麗な2本の軸が見えている。鞭のようなしなやかな繋がり。このまま脊柱→骨盤→下肢と繋がり足先までピンッと綺麗に揃った。美しい!! 会場はこの日一番の大音量で拍手。私の手はジトっと変な汗をかいていた。おそらく会場の皆さんもあの緊張感を共有したのではと思う。

久しぶりだったな~ あのドキドキ感。テレビでは共有できない、あの場の空気。やっぱりリアルの感覚に勝るものはない。最近は劇団の小説を好んで読んでいる。来年は舞台を見に行って空気感を味わってこようっと。

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