ウッドショックの波が山形県内にも
米沢市徳町の元タイヤショップ。ずっと空きテナントだったが、最近になり壁面にカブトムシが描かれていた。何の店舗だろう?
住宅資材や建材の販売を手掛ける和以美さん。壁面には『Waibi』と表記。
グッドタイミングでしょうね。ニュースで度々耳にしていると思うが木材価格が高騰する“ウッドショック”が起きている。これから家を建てようと考えている人は「やめてくれー!」と叫びたくなるだろう。
先日、ご来院の工務店の方から聞いてしまった。当初契約した金額より木材だけで仕入れが70万円もオーバーしたとのこと。もちろん、この超過分は施主に請求できず工務店側が利益を削ることに…。
輸入木材が高騰しているということは国産木材のチャンスでは? いやいや、そんなに甘くないもので輸入の価格上昇に連動して国産も上昇。よっぽど施主にこだわりがない限り、より高い国産木材を選んでくれない。
価値の分からない人に値下げしてまで売る必要はない。さくらんぼと一緒で高くても必ず買ってくれる人はいるものだ。日本人が買ってくれなきゃ輸出するしかない。税金で補填するのではなく、輸出が国産木材の活路ではなかろうか。
山形県の約72%が森林面積。余裕で県内住宅のすべてを賄えそうだが。現実は難しいのよ。林業がそこまで盛んでないからね~
大雨が降ると地滑りが起きやすくなる。大抵は林業の手入れがされていないところ。木を切りっぱなしなど土壌が緩くなっているのだ。
林業と広葉樹林
いろいろな山へ登山しているとすぐ分かる。例えば傾斜のキツイところにブナが植えられていると「おぉ~」と思う。ブナはよく根っこを張ってくれるからね。湿地になりやすい谷には環境に適したカエデなど。
山は針葉樹林より広葉樹林がいいんだけどね。ドングリが多く落ちてくれればツキノワグマは大喜び。お腹空いてもリスクが大きい街に繰り出さなくていいように。薪ストーブの方々は火持ちのいい広葉樹が大好き。
米沢市の10代の子たち約1万人が一人一苗広葉樹を植林したら面白そう。その子の孫の代でようやく安定した樹木になっているはず。
ただし、需要と供給がそれを許さない。早く真っ直ぐに育ってくれるスギが需要として求められる。広葉樹は育つまで年数かかるしクネクネ曲がりやすいので無駄が多く建材に不向き。
花粉が出ないスギの植林ならいいのか? クマや地滑りの問題はこれでは解決できない。スギは人の手入れが必須。ただでさえ少ない林業の受け皿では管理が難しい。広葉樹林はそこまで手入れしなくても自然循環してくれる。
長期的には林業の理解を世間に広めて従事する若者が誇りを持てるように。コピー人間を出せたら林業は靴職人と同じくらい私がやりたい仕事。
林業のお勧め小説 三浦しをんさんの『神去なあなあ日常』
いきなり山へ見学ではハードルが高いので、まずはフィクションから。
7年前に公開した映画『WOOD JOB!〜神去なあなあ日常〜』の原作。
個人的には伊藤英明さんがバッチリとハマっていたな~
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