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味覚の不思議~ミラクルフルーツを知っていますか?~

人は味をどこで感じるのかと聞けばほとんどの人が舌と答えると思います。

厳密にいえば舌にある味蕾(みらい)が味を感じる器官になっています。味蕾は年齢とともに減少していくため味を感じにくくなっていきます。

子供のころ嫌いだった食べ物が大人になって食べられるようになったという経験はありませんか?
それは成長と思われがちですが、味蕾が減少し味を感じにくくなったため食べられるようになったというのが真相なのです。

他にも高齢者は濃い味付けが好きという風潮がありますが、味蕾の減少とともに味を感じにくくなっているため本人は普通の味付けと思っていても若い世代が食べると濃く感じてしまうのです。そのため高齢者に減塩をすすめても自分では減塩しているつもりが実際は濃い味付けのままということも起こりえます。
年齢とともに特に塩味を感じにくくなっていきますが、酸味に関しては味を感じにくくなりにくいと言われています。そのため減塩には酢の物やかんきつ類を利用すると味を感じつつ減塩することができます。

このように味覚についてはまだまだ語ることがありますが今回は「ミラクルフルーツ」というものを紹介したいと思います。
初めて聞く方が大半だと思いますがミラクルフルーツは不思議な効果があります。
それはミラクルフルーツを食べた後に梅干しやレモンなど酸味の強い食べ物を食べると通常酸っぱく感じるはずが甘く感じるのです。これはミラクルフルーツのミラクリンという成分によるもので、通常酸味は酸味受容体に反応し酸っぱいと感じますが、ミラクリンの働きによって酸味を酸味受容体ではなく、甘味受容体が反応するようになり甘く感じてしまうのです。その効果は数時間程度であり一生酸味を感じなくなるということはありません。ミラクルフルーツはスーパーでは見かけませんがネットショップ等で購入できます。

子どもの自由研究や普段の会話のネタとしてミラクルフルーツを使って味覚の不思議に触れてみてはいかがですか?

※この記事は、広報ひだ11月号(2022年)より転載いたしました。
https://www.city.hida.gifu.jp/site/koho/r0411.html