女性解放への道

日本は男女同権で民主主義でかつての先進国。

と思っている日本人は多いし、世界的にもそのように思う人は少なくないと感じる。

私の考える民主主義には程遠いけれど。

そして男女同権に至っては遥か先に目標を掲げて亀の歩みでそこに向かっている次第(と、私は祈っている)。
目標とは最終ではないものの、RBGの言葉を借りれば「永田町界隈の女性の割合が9割になる」だろうか。

ここまで書いて、はて、先進国とはなんぞや、とも考える。文字通り捉えれば「先に進む国」のはず。日本はある時期経済的な興隆は果たしたが、残念ながら社会制度設計で世界に先駆けて進んだり方向性を示し、成熟した国家として威厳ある立場に立つことは(やろうと思えばできたにも関わらず)出来ないまま没落した。いや、代々政治家は世界的に責任ある立場に立つことを意識的に避けたのかもしれない。
先進国とはテクノロジーの発展だけだとも言わんばかりの、社会福祉や人権は目を背けたままの一発突破であったから、もちろんそんなものは長く続く訳でもなく、他国から侮蔑に似た感情も抱かれつつ凋落はあっという間だった。

民主主義の成熟で世界を牽引するようなアグレッシブさは、ついぞ手に入れることはできなかった。成熟どころか、いつまでも古臭い家父長制の元に、女性、若者、子どもが押さえつけられる社会は、テクノロジーの発展すらも蝕んだ。半導体もEVも宇宙開発もエネルギー問題も何もかも。高度な知識を持つ人口の半分以上の人たちがその才能を押し込めて生きるのだから衰退は自明の理である。

テクノロジーの発展は歓迎しない訳では全くないが、これは逆の思想で、まずは成熟した国家としての姿で世界を魅了していくことを目指すべきだった。さすればそのままあらゆる発展に寄与し、自然にテクノロジーだって嫌でも進んでいっただろうに。

国として社会制度を整え、胸を張って「これを世界のスタンダードにしよう」と提案し存在感を示す。
軋轢などもあろうがそれが外交に有効なカードの一つたり得ることは可能性としては充分だ。

安倍晋三のように尻尾を振って忠誠を誓ったりあちこちにイソップのコウモリのようにヘラヘラいい顔だけしたり、岸田文雄のように金を無闇矢鱈にばら撒くことは外交と言わない。「外交の安倍」と口にしたのは官房機密費から賄賂を受け取った某コピーライターであろうか。とにかく、未熟である。

そう言う意味では日本はついぞ先進国であったことはなかったのだと私は思っている。

閑話休題。

先日、某50代女性と話す。

「男女同権っていうけど、政治なんてできる人がやればいいと思うんだよね。女性議員なんて増えたってあの程度の(山谷えり子や高市早苗や稲田朋美あたりを指していると思われる。いや、生稲晃子か?)人しか出てこないんだし。」

かなり広く話したのでごく一部抜粋。

どこから突っ込めば良いのか分からないくらいの、口述テストなら零点くらいの、なんと民主主義の根底を覆すかのような暴論である。

丁寧にディベートしたいが、民主主義の一丁目一番地からこの御方に説明するのもズクがない私には非常にタフである。

民主主義教育が為されない国の市民あるある。そう、教育が悪い。

女性議員は必要なのだ。そして少なくとも50%は。道半ばの今を「失敗」だと捉えてはならない。パリテは意地でも必要でそれに到達するまでいくつかの衝突や混乱はあるだろうがそれにも耐えねばならない。
そして50%になれば、山谷えり子や高市早苗などの「女性の顔をした男性議員」、また上川陽子やフランスに行った人(名前を失念)のような「お飾り」は姿を消す、訳ではないが、かなり存在感を薄め、少なくとも彼らが自民党総裁選候補に担ぎ出されるような茶番は見られなくなると思う。

決定権を持つ場所にいる属性が多様性を欠いていることはあまりにも可視化されなさ過ぎて、「日本は今が正常」だと思ってしまいがちであるが

司法、行政、立法、メディアはもちろん経済界、学術界、NPOなどに至るまでの役員、意思決定をする人が、ある一定の属性で占められているということは世界的トレンドから見れば主流ではないどころかかなり異質である。

これらのことが具体的に日々の営みにどれほど影響されるかと言えば、

普通に生きていればほんのり気づく程度には決して小さくはない。

国会の立法一つみても
裁判所での判決をみても
ニュースの取り上げ方まで

見回せばどこもかしこも女性差別が色濃い。

と告げると驚く人がいる。日本は男女同権だよ、と。1945年から婦人参政権あるよ、と。

確かに「社会の空気」という目にも見えないデータにも載りにくい差別は、あるのかもしれないけれど、と。

例えば、地方の女子が東京の大学に行くなんて、と親から言われる。兄弟は行ってるのになぜ私だけ?
そう言った差別的発言は、確かに都市伝説的でデータ化できない。
田舎の法事では女性たちがせっせと料理をして運び、男性たちは座って飲み食い社交している。これもデータにはなりにくい。foaftaleレベルである。

また例えば婚姻時の姓を変えるのは法的には2人で相談して決めるとなっているが変えるのは95%が女性である。法的に平等なのに運用で不平等、そしてデータも出ている「社会の空気」の例である。

そういう空気的な差別はごまんとあることは前述の「日本が男女同権と信じている無邪気な人」も少なからず認めている。

だがそれは、法整備された現在では個人個人の努力で徐々に進んでいくから見守るしかない、
と言われると、

いやいや、法整備もまだまだだよと被せたくなる。

感覚的に不平等なことは分かっている人はいても、法整備も?2024年に?と驚く人もいるがまごうことなき事実である。

同じ土俵で勝負する事柄は差別がわかりやすい。

例えば、同一労働同一賃金でないこと。
また、同じ点数を取りながら男性は合格し女性は不合格など。
そしてニュース報道で、女性が被害者または加害者の場合の個人情報の扱われ方の不平等。

しかし、比較しにくいもの。
女性しか関わらないものについて。

例えば
生理や妊娠出産、子育て。
子宮系の病気。
性被害。
こう言ったものについて長い間目を瞑って来たのは、一生子宮系のなんやかんやに無関係な男性である。性被害も、ほとんどの被害者は女性であるのだから。
こういった不平等は一見して分からないが、私のようにボーッと生きていても一日に一つはニュースで目にするほどには頻繁に出会う。
この世はまだまだ女性に不利なようにできている。

例えば
レイプによりまたは避妊の拒否により望まない妊娠をしたのに、相手男性の許可なくして中絶できないとか、
男性が不在の中、已む無く出産したがその赤ちゃんを遺棄したら女性は逮捕されるとか、
逃げた男性には罪を問われないどころか養育費の支払いの義務も果たさなくて良いとか、

(男性とはなんと気楽な性だろうか。書いていて絶望感すら滲むほどに。)

生理痛、子宮系の病気や検査、出産時などの女性特有の痛みの軽視や、女性だけが服用する薬などの承認や価格など

化粧代や生理用品代のこと

裁判であの「いただき女子」の判決と、女児が性被害に遭った際の加害者男性の判決とのギャップ

最近の裁判もなかなか目に余る。

被災地での避難所や夜道や一人暮らし時などの自己防衛の課題

そんな風に、簡単に比較できないもの、女性だけに偏っているものについての法整備の遅れ、アジェンダ軽視(そもそも立法議題にすら上らない)など、ここはなかなか進めるのが難しいものである。

進めるにはきちんと議題提起していかねばならぬ。しかし議員が圧倒的に少ない。だから必要なのだ。クォータ制が。

🔸

マンスプレイニングという言葉に以前助けられた。常に感じていたモヤモヤが言葉になる程、同じような経験をし苦い気持ちを持つ人が複数いるのだと思うことは勇気になる。

同時に、そんな言葉を学びたいかと言われれば苦笑いするしかない。

とは言え前世代の方々がモヤモヤする事象に向き合い情報収集し名前をつけ、その嫌な名前に対して声をあげて来たから今があるのであり、だから私は未来の女の子たちのために引き続き声を上げ続ける。

10代の娘に性的虐待を加えるなどしたとして、監護者性交などの罪に問われた父親に、 大津地裁は5月31日、懲役8年6月(求刑・懲役9年)の判決を言い渡した。谷口真紀裁判長は「実父の立場を悪用し抵抗できない状況に陥らせた犯行態様は卑劣かつ狡猾(こうかつ)」と批判した。

 判決によると、2018年に県内の自宅で当時13歳の娘と性行為をし、さらに、当時14歳の娘と性交をした。また、23年に、「(自分に)死者の霊が憑依(ひょうい)しており、要求に従って性行為などをしなければ(自分の)人格が消失したり、身体に危害を加えたりする」などの虚言を信じさせて当時18歳の娘を抵抗できない状態にして自宅で性交するなどした。

 谷口裁判長は判決理由で、娘が13歳の時から約4年半の長期にわたって性的虐待を繰り返し、裸体の撮影もしたとして「常習性が顕著。自らの性欲や支配欲を満たすために、(娘の)心身への悪影響を意に介さず 避妊薬を服用させて避妊具を使用せずに性交するなど(娘の)肉体的、精神的苦痛の大きさは計り知れない」と断じた。娘が父親の虚言をいまも否定できず、被害を申告したことで家族の生活を壊したという罪悪感があると述べているとして「心身の健全な成長や将来への悪影響が懸念され、被害は重大かつ深刻」と指摘した。

 5月7日に同地裁で開かれた初公判の冒頭陳述では検察官が「娘にご主人様と呼ばせていた」「性奴隷契約書を作成し、毎日のように性行為をした」などと指摘した。

 初公判の被告人質問で父親は、「悪いことをした。やり始めた前後、(自分に)精神的に違う方面でストレスだった」「やめよう、やめようと思っていた」などと話した。裁判官からの「実の子に性奴隷を約束させる書面を書かせた抵抗感はなかったのか」という質問には「あの時は精神的におかしかった」と答えた。

 初公判では娘が代理人を通じて意見陳述し、「家族がバラバラになってしまった。被害を訴えたことによって、家族に対して罪悪感を感じている。もう会いに来ないでほしい」と訴えた。

 父親の氏名などは非公表。地裁は「一般的に被害者の特定を防ぐためなどで被告の氏名などを非公表とするが、今回、非公表にした理由は言えない」とした。【菊池真由】

毎日新聞2024/5/31

例えば、腰があまりにも痛く、医師の診察を予約したとする。「腰の痛みを0から10のあいだで表すとどうなりますか?」と聞かれたら、「3」と答えるか、「9」と答えるかで、それぞれに合った治療をしてくれると思うのが一般的だろう。

しかし、患者の性別が診察に影響することがある、と話すのは、ジョンズ ・ ホプキンス大学医学部助教授のティナ ・ ドーシ医学博士。「ある研究によると、医療従事者は、男性に比べ女性の痛みを過小評価する可能性が高いことが示唆されています。女性からの10点中8点の痛みと、男性からの10点中8点の痛みには、異なる治療がされるかもしれません」。
これは医師の性別に関係なく起こりうる。女性の方が頭痛や腰痛、首の痛み、痛みを伴う自己免疫疾患など、より痛みを伴う症状に悩まされているという研究結果もある。同じような病気に対して、男性よりも女性の方が痛みを感じやすいという研究もあり、女性のほうが慢性的な痛みに苦しむ傾向があるにもかかわらず、診察室での女性の扱われ方には固定観念があるようだ。

ある研究では、医学生や臨床医が慢性的な痛みを抱える患者のビデオを見たとき、平均して女性の痛みを男性よりも低く見積もり、女性には心理療法を、男性には鎮痛剤をすすめる傾向が強かったそう。

人種の違いも、さらに判断を歪める要因に。2019年に行われた14件の研究によると、黒人の救急外来患者は、白人に比べ、急性の痛みを和らげる鎮痛剤を処方された割合が40%低く、ヒスパニック系は25%少なかったそう。さらに、処方された鎮痛剤の効力も弱いものだったという。

「黒人は白人に比べ、痛みを感じにくいという誤った思い込みがあります」と話すのは、『Unwell Women: Misdiagnosis and Myth in a Man-Made World』の著者であるエリナー・クレグホーン氏。「これは、19世紀の奴隷制度や奴隷の虐待を合理化していた歴史に由来しています。その結果、痛みを感じている白人女性は、オーバーであるととらえられる傾向があり、黒人女性は、自分の痛みを正しく認めてもらえないことが多いのです」。
痛みの治療における格差は、疾患の種類とも関係がある。例えばレントゲンで腕が折れていることがわかれば、医師はその苦しみをある程度客観的に理解することができる。しかし、腹痛や線維筋痛症のように、検査ではわからない痛みが広範囲に起こる曖昧な病気ならどうだろう。ワシントン大学の准教授で、医療における偏見について研究しているジャニス・サビン博士は、「どれくらい痛いかどうかは、多くの場合主観に基づいて判断されています」と話す。「どのくらい痛むのかは、患者にしかわからないことなので、それを解釈する医療従事者は大きな裁量権を持っているといえるでしょう」。

裁量が大きくなると、性差別や人種差別など、“無意識のバイアス”が入り込みやすくなる、とサビン博士。もちろん、ほとんどの医師が患者を助けてくれる存在であることに間違いはないが、世界中の77件の痛みに関する研究を参照した、2018年のレポートによると、医療従事者は痛みを感じている男性をストイックに捉え、痛みを感じている女性をヒステリックで感情的、不平不満、さらには痛みをねつ造していると認識する傾向があることがわかっている。(余談だが、ヒステリーの語源はギリシャ語の「子宮」。数世紀前、女性の子宮が精神障害を引き起こすと考えられていたことに由来する)。

医療専門家でない人でも、女性の痛みを過小評価することがある。医師や医学生ではない一般人が、男性と女性が同じリハビリ運動をしているのを見たところ、「女性は痛みが少なく、心理療法によって助かると評価し、男性は薬が必要だと言った」と、マイアミ大学社会文化神経科学研究所の所長、エリザベス・ロージン博士は言う。「このデータは、文化的なステレオタイプによって、人々が無意識のうちに女性の痛みを過小評価していることを示しています」。

そこに人種的偏見が加わると、黒人女性の痛みはさらに深刻に受け止められなくなる可能性がある。2016年の調査では、医学部1年生と2年生の40%、研修医の25%(いずれも白人)が、黒人は白人よりも皮膚が厚いと信じていることがわかったそう。黒人と白人の誤った生物学的差異を信じていた学生は、仮想の黒人患者の痛みを低く評価し、その黒人患者に対して、より“正確”な治療法を推奨していたのだ。

このような偏見が災いをもたらすことは、想像に難くない。例えば、心臓発作を考えてみましょう。米国予防心臓病学会の次期会長であるマーサ・グラティ医学博士は、「女性が胸痛を訴えた場合(最新の研究では、女性が心臓発作で胸痛を訴える可能性は男性と同じであることが明らかになっています)、男性と比べて治療やケアの遅れが長くなります」と話す。「心臓発作の治療に時間がかかればかかるほど、心臓はより大きなダメージを受けることになります」。

女性は多くの謎の痛みを抱えている
診断が困難な疾患によって引き起こされることが多い、慢性疼痛を持つ女性は、必要な治療を受ける上で困難に直面することになる。自己免疫疾患(ループスや関節リウマチなど)の患者の約80%は女性で、正しい診断を受けるまでに、5年間かかり、平均5人の異なる医師に診てもらっていることが調査で分かっている。自己免疫学会の調査によると、その過程で、多くの人が自分の痛みやその他の症状はすべて気のせいだと言われたり、慢性的なクレーマーというレッテルを貼られたりするのだそう。
そして、慢性痛は複雑である。「多くの慢性疼痛疾患は、器質的明確な原因が特定できませんない」と話すのは、慢性疼痛研究連盟の共同設立者でディレクターのクリスティン・ヴィーズリー氏。医師が女性の痛みを軽視したり、女性だから仕方ないと片付けてきた長い歴史が相まって、無用な苦痛を与えているのだと彼女は言う。国際疼痛学会で、ジェンダーや痛みに関するワークグループの議長を務めるロバート・ゾルゲ博士は、「この問題の矢面に立つのは女性です」と言う。「CTスキャンに異常がなくても、耐え難い痛みがあることを理解していない医師があまりにも多いのです」。

これを裏付ける研究結果も。「痛みの原因が、よくある背中の痛みや片頭痛ではなく、容易に検証できなかったときに、痛みのジェンダーギャップは最大になりました」と話すのは、ペンシルバニア大学の看護教授であるサリマ・メガーニ博士。

痛みを治療しないまま放っておくことで、「精神衛生、社会的交流、認知機能、睡眠と運動の能力に深刻な悪影響を及ぼします」とゾルゲ氏。クレグホーン氏はこれを身をもって経験したという。彼女は7年間、自分の痛みの症状は「ホルモンのせい」「不安のせい」「生活習慣の乱れのせい」「妊娠のせい」と言われ続けてきたそう。「診断のための検査や血液検査を受けたことは一度もありません。私の痛みの説明は、医療従事者の目には現実の痛みとして映らなかったのです。私の痛みはすべて気のせいだと思うしかなく、自分自身を疑うようになり、精神衛生上も悪影響を及ぼしました」。

医療機関でより良い治療と安心を得るためにできる5つのことは以下の通り。

診察に付き添ってもらう
「診察の際に誰かに付き添って貰えば、どういった質問がされ、あなたがどう答えたかの証人になります」と話すのは、米国慢性疼痛協会の創設者であるペニー・コーワン氏。
要点をはっきりさせる
女性は、痛みが生活にどのような影響を及ぼすかについて感情的に説明する傾向がある一方で、男性は「腕のここが痛い」と言う傾向があります、とクレグホーン氏。前者のアプローチは、後者よりも信頼されにくいという研究も。
痛みの程度を具体的に説明する
これは、女性の健康研究協会のCEOを務めるキャサリン ・ シューベルト氏のアドバイス。「例えば、『肩甲骨をナイフでえぐられるような痛みがある』のように、明確でイメージしやすい言葉を使用することで、0から10の評価よりも正確にあなたの痛みを説明することができます」。
痛みをコントロールするために行ったことを説明する
「これによって、医師は痛みの程度を客観的に把握することができます」と、シューベルト氏。
痛みが日常生活に及ぼす影響を説明する
「睡眠が中断されたり、仕事を休む必要があったり、太ったり (動くことが難しいので)といった影響を説明することで、医師の理解を助けることができます」話すのは、サウスカロライナ大学医学部グリーンビルの学部長であるマージョリー・ジェンキンス氏。これは、ベストな処置や治療を決めることにも役立つことが期待できる。
男性の身体や機能が標準とされてきた医学の歴史のなかで、多くの研究は、オスのネズミや白人男性を使って行われきた。「1993年に新しいガイダンスが発行されるまで、妊娠可能な年齢の女性は初期段階の医薬品試験に参加することができませんでした」とジェンキンス博士。「研究によって女性を守るのではなく、研究から女性を遠ざけていたのです」。

ただ、状況は確実に変化しているといえる。最新の研究では、男性と女性では痛みの経路やメカニズムが異なる可能性を示唆しており、片頭痛などの症状に対して性差に応じた薬剤が開発される可能性があるとゾルゲ氏は言う。医学部の学生や医師に対し、性別や人種による偏見について教育する動きもある。例えば、サビン博士らは、医師向けに、医学における人種差別の歴史、健康の社会的決定要因、暗黙の偏見の認識方法などを扱う短期コースを開発した。ジョンズ・ホプキンス医科大学でも、同様の3年間のプログラムを提供している。

医療従事者の多様性を高めることも有効である。ドーシ博士によると、現在、疼痛専門医のうち女性は20%未満。「しかし、将来の疼痛専門医を育成する多くの診療科では、女性やマイノリティを積極的に採用しています」。固定観念を覆し、より良い臨床研究を行い、より広い視野を持つことが、すべての患者が必要な痛みの治療を受けられるようになると、ヴィーズリー氏。「性別、人種、生物学、環境、心理的構造、病歴、社会的要因など、さまざまな要素が慢性疼痛に関与しています。これらの要素が絡み合って、どのような治療が必要かどうかが決められるべきです」。これらの成果によって、より多くの人々の痛みが軽減されることを期待したい。

BY GINNY GRAVES AND ILLUSTRATIONS BY SOPHIA YESHI公開日:2022/06/19 BAZAAR

何かと「女性初」の形容詞がついて回る土井たかこ氏だが、政治家として力を入れていた政策が、護憲であり、憲法の理念に基づく男女差別の解消だった。
 土井氏は、父親が日本国籍の場合のみ、子どもに日本国籍を認める当時の国籍法を問題視。沖縄では米兵男性と日本人女性の間の子が無国籍となるケースが相次いでいた。母親が日本人の子も日本国籍とするよう何度も訴え、84年の国籍法改正につなげた。
 男性の方がたくさん食べるからという理由で、女性の生活保護費が男性より少ないことにも疑問を抱き、81年の国会で「私は、男性よりも食欲は旺盛」と当時の園田直厚生相に迫り、見直させた。女性だけが必修だった高校家庭科の男女共修化や、男女の雇用差別の解消にも力を入れた。

2024/6/3東京新聞

シモーヌ・ヴェイユ(Simone Veil, 1927年7月13日 - 2017年6月30日[1])は、フランスの政治家、ホロコースト体験者である。女性初の欧州議会議長を務めた。
1927年7月13日にシモーヌ・アニー・ジャコブとして、アルプ=マリティーム県ニースにユダヤ系の建築家の娘として生まれた。1944年4月、16歳でアウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所に送られ、さらに1945年1月にソ連軍がアウシュヴィッツに到着すると「死の行進」が始まり、ベルゲン=ベルゼン強制収容所に移送された。収容所で両親と兄を失い、1945年、姉マドレーヌとともに生還した。レジスタンス運動に参加していたもう一人の姉ドゥニーズ (fr[2]) も生還した。
戦後、パリ大学で法学を専攻し、さらにパリ政治学院で学んだ。在学中にアントワーヌ・ヴェイユ(フランス語版)(後に財務監察官などを歴任)と出会い、1946年に結婚。三子をもうけた。治安判事の資格を得て、厚生大臣(1974-1979; ジャック・シラク内閣およびレイモン・バール内閣)、欧州議会議長(1979-1982)、欧州議会議員(1979-1993)、国務大臣社会問題・厚生・都市大臣(1993-1995; エドゥアール・バラデュール内閣)、憲法評議会議員(1998-2007)を歴任した。
人工妊娠中絶の合法化(ヴェイユ法)のために1974年に法案を国民議会に提出し、3日間にわたる討論で反対派から猛烈な非難を受けながらも可決にこぎつけ、女性解放への道を切り開いた。また、欧州議会議長として欧州統合の推進役を担い、1981年、欧州統合の理念に適う功績を挙げた人物に与えられるカール大帝賞を受賞した。
2008年にアカデミー・フランセーズ会員に選出され[3]、さらにレジオンドヌール勲章グランクロワ、大英帝国勲章 (デイム)、アストゥリアス皇太子賞(国際協力部門)など多くの勲章や賞を受けた。
2017年6月30日にパリの自宅で死去、享年89歳[4]。7月5日、オテル・デ・ザンヴァリッドで国葬が執り行われ、エマニュエル・マクロン大統領がパンテオンに合祀すると発表[5][6][7]。2018年7月1日、パンテオンで合祀式典が執り行われた。
シモーヌ・ヴェイユはフランス人に最も敬愛される女性である

wikipedia

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