両吟オン座六句「とばされないように」の巻

先日、大学の同級生とオン座六句を巻いた。
世の中にあるほとんどのオン座六句は浅沼先生のブログに掲載されていて、
ここに全句掲載するのはなんか違うな、といった謎意識がある。
両吟オン座六句「とばされないように」の巻

彼女と俳句歴に差はあるものの連句歴はまったく同じ(のはず)で、常々俺には出せない良い句だなぁと思わされる。特に挙句。オン座六句の挙句は打ち越すことが決まっていて、これまで散々避けてきた打越に最後は挑まなければならない面白さ。どんなベテランも打越の避け方は知っていてもかっこいい打ち越し方はおそらく知らないだろう。ここもオン座六句の一つの面白さだと思っている。
浅沼先生は以前挙句について「極論、打越とまったく同じでいいと思っている」というようなことをおっしゃっていて、一単語だけ変えるやり方が本返し縫いのようで個人的には好きな終わらせ方なのだけど、彼女は[副詞+名詞句]という打ち越しをした。打越がよく見えてなければできないことだし、おそらく挙句の打ち越し方ではなくこれまでの打越の蓄積があのような挙句を生んだのだろう。まったく、同時期に句座を囲めることが幸せでしょうがない。同級生から技を盗めることがこれほどの喜びとは。
来る者拒まず去る者追わずの精神で同級生が俳句から離れようとも気にしないでいたが、彼女ばかりは地獄の果てまで追いかけてでも俳句連句に関わらせてやるという気持ちでいる。

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