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3月に鈴鹿景子さん追悼公演

がんで昨年逝去 地元友人ら主催

 昨夏逝去した石巻市出身の女優、鈴鹿景子さん(享年67)の追悼イベントが3月15―17日に同市中央一丁目のシアターキネマティカで行われる。鈴鹿さんがライフワークとした「ふるさとの昔語り」などのDVD上映と、俳優仲間による演劇の2本立ての舞台。これに先立ち現在、石巻市かわまち交流センターで「女優 鈴鹿景子の軌跡」と題したパネル展を開催している。

女優人生の歩みを伝えるパネル展(かわまち交流センター)

 鈴鹿さんは石巻女子高(現石巻好文館)を卒業後、アナウンサーを目指して上京。その後、周囲の勧めで演劇に転向し、文学座研究所へ入った。卒業した昭和51年、NHKの連続テレビ小説「火の国に」のヒロインに抜てきされてデビュー。以後はテレビ、映画、舞台など幅広く活動した。

 古里への思いも強く、たびたび石巻で一人芝居や語り芝居などを上演。その中には若宮丸、飯田口説といった地域で語り継がれてきた話を題材にしたものもあった。

 以前から周囲には「65歳になったら石巻に戻り、地元の演劇人と一緒に芝居作りをする」と話していたという。しかし、橋通りにあった実家が東日本大震災で被災したのに加え、ここ数年はコロナ禍で帰郷できずにいた。ようやく社会が落ち着いてきた令和4年暮れに大腸がんが見つかり、闘病の末、昨年7月に亡くなった。

DVD上映と俳優仲間の舞台

 3月の追悼イベントは、石巻を愛した鈴鹿さんをしのぼうと、生前親交のあった人たちと鈴鹿景子事務所が開催する。

若宮丸漂流民をしのぶ会で講談した鈴鹿さん(平成19年9月、禅昌寺)

 1部は平成22年に石巻文化センターで行った鈴鹿さんの一人芝居「ふるさとの昔語り」と、昨年1月に都内で行ったラストステージ(朗読)のDVD鑑賞、2部は鈴鹿さんが演出・脚色した「結婚の申し込み」を上演する。鈴鹿さんの指導を受けた俳優3人による喜劇で、石巻弁のせりふも使われる。

 開演は15、16日が午後1時と6時から、17日は正午からの計5回。入場料は一般3千円(当日3300円)。高校生以下1500円。シアターキネマティカ、かわまち交流センターなどで扱っている。問合せは実行委員会(080―5571―4284)、鈴鹿事務所(090―2886―6786)まで。

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