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ニーズは片付けと汚泥除去 災害ボラセン(2011/4/4掲載)#東北ボランティア

2011年4月4日の石巻日日新聞に掲載した記事です。
東日本大震災の復旧復興のため、東北を訪れたボランティアの皆さんの様子をお伝えするため当時の記事を掲載しています。

 東日本大震災から3週間余りが経過し、石巻地方では浸水した住宅の片付けが大きな課題となっている。石巻市社会福祉協議会が設置した災害ボランティアセンターでは被災者のニーズ度が高い片付け作業を行っているが、広範囲な被害によって人出不足は否めない。個別対応では片付けが進まないため、区域を決めてローラー作戦を進めている。

 市社協は3月15日から石巻専修大学にセンターを設置。4日までに全国から延べ1500人以上が訪れ、ボランティア登録した後、作業が割り当てられている。震災後1―2週間は避難所支援や物資配達が多かったが、現在は浸水した自宅の片付け作業が圧倒的に多い。

 被災者の中には1人暮らしの高齢者もいるが、とても1人では家財の片付けは困難。センターに対するニーズは日増しに高まっているものの、片付けをする人出はまだまだ足りない。市社協の大槻英夫事務局長は「圧倒的に人出不足。ニーズに対する処理率は30%程度」と話す。

 大阪府からバスで訪れたという田中慶彦さん(43)は「阪神・淡路大震災では東北各地から支援を頂いた。その恩返しをしたい。片付けや汚泥の撤去も積極的にこなし、1日も早い復旧に努める」と話していた。

〝足〟の確保課題 東松島市

 東松島市保健相談センター内の災害ボランティアセンターも人員数に対してニーズが上回る状況。活動車も2台しかなく、ボランティアを現地に派遣するための移動手段がないのも課題だ。

 3月19日の開設後は中高生を中心延べ1227人がボランティア登録。避難所生活をしている市民も登録しており、先日は阪神・淡路大震災を経験した神戸市から63人が支援を行った。

 これまでの活動済み件数349件。需要は一般家庭の汚泥除去が多く、逆にこれ以外は受け付けられない状態。200件以上が保留となっており、1週間待ちという。自転車や徒歩でセンターに集まるボランティアをバス2台でピストン輸送しているが、運転する人材も不足している。

 同センターでは「車やガソリン、宿泊先を自己調達できる団体ボランティアがあれば歓迎したい」と話していた。

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