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中瀬公園でデイキャンプ〔石巻市 官民で実証実験〕

活用探り整備計画に反映

 東日本大震災で甚大な被害を受けた旧北上川河口の中州にある中瀬公園=石巻市中瀬=で6月29日、デイ(日帰り)キャンプ場としての活用を探る実証実験が行われた。中瀬地区全体で進む公園整備計画の一環。石巻市と市民有志が連携し、キャンプ道具を持ち込んで公園の活用と将来性を考えた。

 中瀬地区は全体で約4・6㌶あり、市の震災復興基本計画で地区全域を公園化する予定だ。基本理念は「かわみなと石巻の原風景の再生と創造」。令和9年度の完成を目指しており、公園内は庭園や農園など自然環境を生かした空間作りに向けた整備が進んでいる。

設営から撤収までキャンプの醍醐味を検証した

 石ノ森萬画館や旧ハリストス教会のある北部、多目的広場が整う中部は震災前を意識した構成で復旧しているが、官民連携での活動の場に位置付けられる南部の約2㌶は、市民参加で話し合いが行われており、今回初めてとなる実証実験につながった。

 6月28日は水上を生かした活動としてカヤックやSUP(スタンドアップパドルボード)を検証。翌29日は市都市計画課の加藤耕一係長や市民ら15人が参加し、同市立町にあるアウトドア専門店「NOGIBⅰ(ノギビ)」の浅野太一郎社長はキャンプ道具を提供した。

 旧北上川の水面が良く見える西側の草地にポールを立てて地面にロープを張り、大人数用の日よけを設置するキャンプならではの作業を楽しんだ。終了後は日陰に移り、ゆったりとした川の流れを楽しみながら、飲料水などでのどを潤した。

手軽にできる昼食を作り、デイキャンプを楽しんだ

 昼食は、まきや炭を使わず牛乳パックを燃やした熱を利用したホットドック作りと、具材をビニール袋に入れて湯せんするスープ作りを実践。ごみを抑えて手間も少なくしたキャンプ用のメニューに挑戦した。

 参加した石巻専修大学4年の佐藤龍汰さんは「キャンプ自体初めての体験で、川が近いロケーションが素晴らしい。外で食べるご飯は格別」と満足。浅野社長も「中心市街地で気持ちよく外遊びができる場は貴重。整備が進めば、家族で気軽に楽しめる場になるはず」と期待した。

 加藤係長は「具体的な公園の活用方法はまだまだこれから。官民一体の話し合いや、こうした検証を今後も繰り返し、多くの人に愛される場所を作っていきたい」と話していた。【渡邊裕紀】

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