見出し画像

伝えよう10年前のありがとう 感謝の気持ち全国に #東北ボランティア

 東日本大震災の発生から10年を前に、石巻日日新聞社とヤフー(株)=東京都千代田区=は共同で、震災後、全国から被災地を訪れたボランティアに感謝の思いを伝える取り組みを始めた。140字の文章を投稿するSNS「ツイッター」を活用し、10年前に駆け付けてくれたボランティアと地元住民をつなぐ企画。ツイッターアカウントがあれば誰でも参加できる。

 ツイッターへの投稿本文に「ありがとう」か「感謝」の文字を含んだ上で、コメントをグループ分けする機能ハッシュタグ「#東北ボランティア」(#は半角文字)を追記すると、Yahoo!ボランティアの特設サイト「思い出そう、あのときのボランティア 伝えよう、あのときのありがとう」の画面にメッセージが表示される。

 広域で被災した石巻には全国各地から大勢のボランティアが駆けつけた。市社会福祉協議会が平成26年3月に出した市災害ボランティアセンター事業報告書によると、把握している限りで全国各地から訪れたボランティアは約30万人。人数の多さから、被災を経験した住民の中には、助けてくれたボランティア一人一人の出身地や名前を聞いたり、覚えたりできないままでいた人もいる。

 今回の企画は、お世話になったボランティアに感謝の気持ちを届けるもので、石巻日日新聞社では、ツイッターを利用していない人のために市内3カ所に27日までメッセージ回収箱を設置。新市街地の新蛇田第一集会所=のぞみ野四丁目=をはじめ、イロリ石巻=中央二丁目=、おかべ本屋さん=イオンスーパーセンター石巻東店内=に置いた。投函したメッセージは新聞紙面に掲載するほか、本紙の公式ツイッターアカウントで投稿される。

 カフェ、シェアオフィスとして利用され地域内外の人が集うイロリ石巻は震災前、駐車場として利用されていた。大家の新田貞子さん(77)は、津波で泥だらけになった駐車場をボランティアの手を借りて片付けた。

 新田さんは「多くのボランティアにお世話になり、おしゃべりも楽しんだ」と話す。泥出しや花の植栽など物心の支援を受けた。「当時はありがたいことばかりで、心のゆとりがなかった。皆さんの顔は忘れていないが、名前は覚えられないままだった」と振り返る。

 中でも思い出深いのは2人の若い女性が花の球根を届けてくれたことで、球根はアイトピア通りに植えた。翌年も2人で新田さんを訪ねて来てくれたことが心に残っており、一緒に撮った写真は今も大切に持っている。

 新田さんは「ありがとうございました。10年間生きてこられたのも、泥かきをして立て直してくれた皆さんのおかげです。」と用紙に感謝の思いを書き込んだ。10年経っても変らない、今だからこそ伝えたい気持ちをメッセージに込めた。【石森洋史】

Yahoo!ボランティアバナー


最後まで記事をお読みいただき、ありがとうございました。皆様から頂くサポートは、さらなる有益なコンテンツの作成に役立たせていきます。引き続き、石巻日日新聞社のコンテンツをお楽しみください。