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5年ぶりに本山車巡行

河南鹿嶋ばやし祭り 児童生徒が春の音色


 石巻市広渕地区の春の伝統行事「河南鹿嶋ばやし山車(だし)祭り」(同実行委員会主催)が21日、広渕農業担い手センターを起点に行われた。最も大きな「本山車」が5年ぶりに運行され、軽やかな囃子(はやし)の音色に合わせ、華やかに地域を練り歩いた。

ミニ山車、花馬車の順で地域内を巡行

 本山車の正面となる御前は、平清盛と源義朝が政権を争った平治の乱(1156年)を人形で表現。後ろ側の見返りは、放映中のNHK大河ドラマ「光る君へ」より紫式部、藤原道長が源氏物語について語り合っている様子を同じく人形でかたどった。
 また、ミニ山車は戦国武将加藤清正のトラ退治、花馬車には縁起物として太公望を乗せた。山車に取り付ける花飾りは地域住民が手分けして3月ごろから制作。人形は今月からほぼ毎晩、関係者が集まってこしらえた。

5年ぶりに登場した本山車の前で生徒が囃子を披露

 同センターで開かれた出陣式では、3台並んだ山車の前でテープカットした後、広渕小学校の6年生が乗り込んだミニ山車と花馬車を下学年と保護者が引き、地域内を巡行。本山車には河南西中学校の生徒を乗せ、昼近くにミニ山車と合流して午後から地域を歩いた。

 同実行委員会の西村弘委員長(69)は「コロナ禍の収束でようやく本山車の運行に向けた準備が整い、今年から再開できたことはとても感慨深い。本年度は良いスタートが切れた」と話していた。
 鹿嶋ばやしは、飢餓と疫病がまん延した江戸時代、五穀豊穣と無病息災、家内安全などの祈願として始まったという。後継者育成のため、昭和48年に保存会が発足。その後、広渕小が学校行事の一環で取り組み、保存会の指導を受けながら代々継承している。【外処健一】

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