原発再稼働合格を報告_石巻市___6_

女川2号機「正式合格」 東北地方の原発で初 規制委 審査書決定 県 住民説明会を検討

 東北電力女川原子力発電所2号機について、原子力規制委員会は26日、再稼働の前提となる国の新規制基準に適合していることを認める「審査書」を定例会合で決定した。新基準への合格は東北地方初となり、被災原発では茨城県東海村の日本原子力発電東海第二に次いで2例目。今後は規制委で工事計画と保安規定変更の認可申請審査が進められ、同社では来年度以降の安全対策工事完了を目指す。県は経済産業相の要請を受け、立地自治体の石巻市や女川町などとの協議や住民説明会を開いて声を聞く考え。【横井康彦】

 同社では、平成25年12月27日に2号機の再稼働に向けて国の原子力規制委へ原子炉設置変更許可申請書を提出。規制委は安全対策の基本方針・設計、国の新規制基準への適合の有無について、基準地震動や津波高など各種安全対策に必要な要素の議論を含め、これまで176回の会合を重ね、昨年11月27日に事実上の合格とする審査結果案をまとめた。

 26日にあった会合では、寄せられた約1千件の意見公募について各種対策で対応できることを確認し、委員の全会一致で審査書を決定。これを受け、原子力規制庁の田口達也安全規制管理官が同社の増子次郎副社長に審査結果を交付した。

 同社の原田宏哉社長は「再稼働に向けた一つの大きな節目を迎えた。新規制基準にとどまらず、より高いレベルでの安全確保に向けて最新の知見も取り入れながら、説明、運用面からさらなる安全性の向上に継続して取り組む」と談話を出した。

原発再稼働合格を報告(石巻市) (6)

若林所長が設置変更許可報告書を須田町長に手渡した

 その後、同社は安全協定に基づき、県と立地自治体の石巻市と女川町に経過を報告。女川町役場を訪れた若林利明発電所長は「ハード、ソフト面で安全性向上を目指す。地元理解が重要であり、丁寧な説明で住民理解を得たい」と語り、須田善明町長に報告書を手渡した。

女川原発2号機合格

今後の再稼働へ向けた考えも市長に伝えた

 規制委は今後、整備に関する詳細設計をまとめた「工事計画」、原発の運転や管理に関わる「保安規定変更」の認可申請審査を進めるが、認可にはいずれも一定期間を要する見通し。また、同社が取り組む各種安全対策工事は、来年度以降の完了を予定する。住民理解を広げるため、同社は安全対策を確認してもらう施設見学会や広報媒体を使った情報発信も行う。

 27日には経産省職員が県庁を訪れ、再稼働の地元同意を求める書状を村井嘉浩知事に届けた。地元同意の判断に向け、県は国から担当者を招いて住民説明会の実施を検討。石巻市や女川町のほか、原発30㌔圏内の周辺自治体の声も聞く。県議会は6月定例会で意見を集約。地元同意の判断時期に対し、村井知事は「いたずらに長引かせることなく、拙速と言われることのないようにする」と話していた。

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