見出し画像

渡波海水浴場 今夏休止

昨年、魚の死骸大量漂着

 石巻市は22日、市営渡波海水浴場の今夏の開設を休止すると発表した。記録的な暑さだった昨夏の開設時、死んだ魚の大量漂着があり、原因と推察される海水温の上昇が今季も予想されることから開設を見送った。

渡波海水浴場

 市によると、渡波海水浴場は昨年、7月22日―8月20日のうち悪天候の5日間を除く25日間開設。ほぼ毎日、多い日で約300匹の魚の死骸が打ち上げられた。期間中の総数は約1400匹で、大部分の約1200匹がフグ。このせいで開設できなかった日はなかったが、「気持ち悪い」として帰る客がいたようだ。

海水温上昇で酸欠か

 海水温上昇による酸欠が主な死因と考えられるという。魚の死骸の大量漂着は県外でも確認されているが、海流の影響からか、県内では渡波海水浴場(長浜海岸)のみ。今夏はさらに海水温が高くなる見込みがある。

貝類や魚が打ち上げられていた(2024年5月22日)

 昨年の遊泳客数は3583人で、前年よりも468人増加。それでも約7700人だった東日本大震災前に比べ、半分程度になっている。開設には監視業務の委託やシャワー、トイレの仮設費用がかかり、費用対効果も考慮して今夏の開設を見送ることにした。

 市内の海水浴場はほかに網地白浜、北上白浜、十八成浜、荒浜の4カ所あり、今夏の開設を予定。市観光政策課は「きれいなこれらの海水浴場を利用していただければ」と話している。【熊谷利勝】

最後まで記事をお読みいただき、ありがとうございました。皆様から頂くサポートは、さらなる有益なコンテンツの作成に役立たせていきます。引き続き、石巻日日新聞社のコンテンツをお楽しみください。