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観光地の人出3割増し

コロナ5類後初の黄金週間

 今年は新型コロナウイルスが感染法上の5類に移行し、初めての黄金週間となった。最大で10連休の長期休暇となり、石巻地方には多くの観光客が足を運んだ。昨年のような行動制限もなく、多彩なイベントが人を呼び込んだ。近県ナンバーの車も多く、観光地は昨年よりも3割近く来場者が増加した。

中瀬公園の仮面ライダーショーは多くの関心を集めた

 黄金週間の目玉イベントと言える石ノ森萬画館の「春のマンガッタン祭り」は、4日の仮面ライダーショーにひときわ多くの家族連れが訪れた。同館によると、3―5日の来場者は計1万2千人で前年比3割増となった。

 同館はコロナ過の収束で来場者が増えると予測し、動線を整理したことでイベントは混乱なく進んだ。仙台市から家族で来た秋山志朗さん(28)は「コロナも気にならない今年は旅行計画も立てやすかった」と語った。

にぎわい戻り経済刺激

 昨年は中心市街地で渋滞したため、萬画館を運営する㈱街づくりまんぼうなどは今年、復興祈念公園のある南浜地区と中心市街地を結ぶ無料バスを運行。3―5日間で約300人が乗車し、渋滞緩和にも一定の効果があったという。

 道の駅硯上の里おがつでは期間中、計1万人が訪れた。前年比2割増で、特に「おがつ海鮮まつり」(3―5日)には7千人の人出があった。道の駅の上品の郷も常に駐車場が満杯状態。秋田県の伊藤望さん(43)は「すごい混雑。車中泊のために場所を確保するのが大変だった。物価上昇もあり、昨年よりやりくりに頭を使う」と話していた。

上品の郷駐車場
おがつ海鮮まつり

 女川町では、町を訪れる観光客の周回性を高めようと観光協会が中心となり、キッチンカーを集めたイベント「にぎわい海岸広場」(3―5日)を実施した。同協会によると山形、岩手など近県の観光客が昨年よりも増え、キャンピングカーで車中泊する人も目立ったという。

にぎわい海岸広場

 一方、東松島市の奥松島縄文村歴史資料館では「縄文体験・体感WEEK!」(3―6日)を開催。火おこしや勾(まが)玉作り体験などがあり、4日間で800人以上(昨年7日間で800人)が訪れた。県内が8割で石巻市、仙台市など近郊が多かった。

縄文体験・体感WEEK!

物価高で目的地近場

 石巻圏観光推進機構の山内千代文さん(47)は「物価高の影響で県内、近県からの日帰り観光客が多かった。田代島に向かう外国人観光客は昨年よりも増え、地域経済への刺激にもつながっている」と話した。

 一方で旧市内から旧町を周遊する人は少なく、観光施設や経路案内、各施設をつなぐ交通手段の確保など、滞在時間を伸ばしていくのが課題という。
【渡邊裕紀】

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