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シーズン到来 雄勝でキャンプ体験
喧騒忘れて自然と対話
自然豊かな公園などで宿泊を楽しむキャンプ。春から秋にかけてがベストシーズンとされ、夏休みに合わせてキャンプ場を訪れる家族も多い。コロナ禍で火がついたブームもピークが過ぎたとはいえ、今でも多くの人が趣味として楽しむ。これから始めるには何が必要か、本格的な宿泊キャンプを体験し、魅力を探ってみた。【渡邊裕紀】
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石巻地方にはキャンプを楽しめる場所が複数あるが、今回キャンプ地としたのは雄勝FORESTキャンプ場=石巻市雄勝町=。電源付きのオートサイトやコテージもあり、宿泊形態を選べる。私は自由にテント設営ができるフリーサイトを借り、キャンプをすることにした。
状況考えて道具準備
キャンプを楽しむには、まず道具だ。寝るためのテントと寝袋、食事には調理器具や食器も必要。夜は周囲が真っ暗になるので、照明器具も欠かせない。
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キャンプの醍醐味と言えば「たき火」ではないか。多くのキャンプ場では地面で直接燃やすのが禁止されており、専用のたき火台と地面に敷く防炎シートが必要になる。燃やすまきや火ばさみ、手袋など、豊富な種類から予算や好みで道具をそろえる楽しさがある。
テントは一定の距離感
雄勝FORESTキャンプ場では、宿泊は正午からチェックイン。私は土曜の午後2時に入ったが、すでにフリーサイト内には先客がおり、家族サイズの大きなドーム型テントが設営されていた。
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フリーサイトでのテント設営は、互いに一定距離を保つのがマナー。早速、日よけの幕を張り、ドーム型のテントを立てて私の区画を確保した。設営が終わるともう1組、夫婦のキャンパーが訪れたので話を聞いてみた。
仙台市の安西信一さん(50)は、10年以上のキャリアという。「雄勝は初めてで、他のキャンプ場に比べて密にならずとても静か。人気の場所は予約が取れないこともある」と話す。人が集中するキャンプ場はマナーの悪さも目立つようで「深夜まで騒ぐ人もいる」と経験を語った。
マナー守り〝非日常〟味わう
揺らぐ炎じっと見つめ
日が暮れれば、いよいよたき火。着火は火打石という方法もあるが、簡単、確実なのは着火剤。火をつけてたき火台に放り込めば、あとはまきをくべるだけ。揺らぐ炎は心にゆとりと落ち着きをもたらし、日常の喧騒も忘れさせてくれた。
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炎が安定したらたき台に鉄板を載せ、肉や野菜を焼く。冷えたビールを一口。なんとも言えない幸福感だ。沢の音や時折聞こえるシカの鳴き声など普段とは違う音が耳を通して伝わる。同キャンプ場の消灯は午後10時。消火を確認してテント内に入った。翌朝は日の出とともに、鳥のさえずりで起床。朝は湯を沸かし、カップ麺を食べて撤収した。
同キャンプ場によると、夏本番の7―8月はテント泊よりも家族やグループ単位でのコテージの利用が増えるという。気温が下がる10―11月がテント泊のハイシーズン。冬場にあえて「雪中キャンプ」を楽しむ玄人もいると聞いて驚いた。
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