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「月浦」は雄勝湾?
サン・ファン研究会 遠藤代表 使節船の出帆地巡る講演会
仙台藩主・伊達政宗の命で建造され、支倉常長らを乗せてスペインに向かった慶長遣欧使節船「サン・ファン・バウティスタ号」の出帆地を巡る講演会が2日、石巻市雄勝公民館で開かれた。使節船を研究する「サン・ファン研究会」の遠藤光行代表が登壇。「つきのうら」と雄勝の関係について仮説を唱えた。
同研究会の会員は約20人。サン・ファン号の造船、出帆の地を調査、研究している。これまで20回以上勉強会を開き、さまざまな史料から地域の歴史を読み解いてきた。
講演で遠藤代表は「つきのうらは地名だけではなく、湾の名称である可能性も十分にある」とした。史料などで「遠島月浦(としまつきのうら)」とされる場所が、石巻市月浦と雄勝湾の2つの可能性があるという。
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地域には、雄勝湾を「月の浦」と呼んでいた伝承があり、遠藤代表は江戸時代初期にスペインの探検家、セバスティアン・ビスカイノが牡鹿半島から岩手県大船渡市までの湾を調べた記録に触れ、「石巻市月浦は湾として非常に小さく、出帆の地として適した湾はほかにたくさんある」と解説した。
当時「遠島」と呼ばれた部分はどこなのか、その上で「月浦」はどこを指すのかを史料から読み解いていき、サン・ファン号出帆の地が雄勝湾である可能性を示した。遠藤代表は「真実を知りたいと検証していく楽しさが歴史の醍醐味。今はまだ可能性だが、雄勝湾が月の浦と呼ばれていた史料が出てくれば、定説を覆す発見になる」と話していた。
【渡邊裕紀】
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