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仮想のまちでお仕事体験

東松島で初・キミいろタウン 社会学び地域に愛着

 子どもが主役のまちづくり体験「キミいろタウン」が24日、東松島市の矢本西市民センターで行われた。自ら運営する仮想のまちで働き、報酬で得た疑似通貨で買い物を楽しみつつ社会の仕組みを学ぶプログラム。同市で初開催とあり、子どもたちはさまざまな職種の経営者となって働くことの意義を学び、地域への愛着を深めた。

接客対応し商品を販売する子どもたち

 イベントは同市で活動するNPO法人いろどり・みんなのみち(浅野和久代表理事)の主催。団体は本年度、子ども実行委員会を立ち上げ、子ども中心で合宿やお化け屋敷、作品表彰式を行った。年度最後の事業となった今回は、店などを経営するCEO(最高経営責任者)となり、来場した子どもたちに職を教えるなどした。

 職種は漁師、駄菓子屋、パン屋、花屋、八百屋、銀行員、新聞記者、アミューズメント経営など16業種。来場者はタウン内の市役所で市民証の発行を受けた後、求職票から職を探して体験し、労働力を売って得た報酬(疑似通貨)で菓子パンやイチゴ、長ネギ、駄菓子などを買った。

 各店舗から「いらっしゃいませ」の声が響き、放送局体験では各店を紹介。警察官は制服を着て館内を巡回した。新聞記者体験で来場者の声を聞いた松岡莉央ちゃん(矢本東小1年)は「聞くのが恥ずかしかったけど、ちゃんと聞けた」と達成感に満足。妹の和花ちゃん(5)も「人気のお菓子を調べて楽しかった」と話していた。

「いらっしゃいませ~」と元気に声掛け

 販売品は地産地消を目的に市内農家や店舗から仕入れた。会場でパンを販売した石垣歩乃実さん(鳴瀬桜華小4年)は「いつも食べているパン屋さんのおいしさをみんなに伝えたかった。とてもよく売れ、仕事をすることの大変さも学べた」と語っていた。

 いろどりの浅野代表は「子どもたちが積極的でまちを運営する気持ちが強かった。次は地域の人に加わってもらうなど関わる幅を広げ、開催したい」と話していた。【渡邊裕紀】

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