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「金華さば」到来はいつ?

水揚げ堅調も基準満たさず 石巻魚市場

 石巻市のブランド魚種「金華さば」。例年11月中旬から12月初めに到来宣言されるが、今年はサバの魚体が全体的に小さく、脂の乗りも基準に満たないことから宣言は出されていない。20日も石巻魚市場にサバ約500㌧が水揚げされたが、魚体は200―300㌘の小型が目立ち、「金華さば」の目安となる500㌘以上は入っていなかった。

 この日は茨城県や福島県沖で操業する巻き網船5隻がサバ計415㌧を水揚げ。競りでは1㌔当たり180円台となり、主に加工原料や養殖魚のエサに使われる。盛信冷凍庫㈱=石巻市魚町=の臼井義仁常務は「鮮度はいいが、金華さばとするには小さい。年明け以降に大きくなることを期待したい」と話していた。

 サバは表層に生息するが、海況変化で水深200―250㍍の深いところにもおり、宮城県沖で操業する底引き網船でも漁獲されている。20日は74㌧が水揚げされた。

 沖合、近海、小型の底引き網船38隻が石巻漁港を拠点とし、サバも主力魚種の一つ。巻き網と異なり、底引き網は魚体が傷つきやすいが、輸出用やエサ用として需要があり、値段は1㌔当たり100―150円となった。

水揚げは続いているが小型が主体となっている

 海況変化で、今年は北海道や宮城沖の魚群が沖合に移動し、日帰りの巻き網船では操業できない海域になったという。「金華さば」は魚体の大きさと脂の乗りで付与されるブランド名であり、石巻魚市場では全国的な知名度を持つ高品質な商材として発信している。

 同市場の佐々木茂樹社長は「サバの南下も早く、すでに漁場が宮城以南に移ってしまった。それでも安定した相場から石巻に入港する船は多い。サバのシーズンはまだ続くため、これから上向くことを願いたい」と話していた。
【渡邊裕紀】

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