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好天後押し1万2千人来場

第31回サン・ファン祭り 市民手作り 力結集

 「第31回サン・ファン祭り」が19日、石巻市渡波のサン・ファンパークで開かれた。好天も後押し、来場者数は昨年より2千人多い1万2千人(主催者発表)となった。ステージでは伝統芸能やダンス、吹奏楽の演奏などが目白押し。市内の高校、大学も模擬店を開いて呼び込んだ。長期休館中のサン・ファン館は、呼び物となる新たな復元船の整備が進んでおり、祭りに合わせ、その様子を見る人も多かった。

 祭りは、遣欧使節船サン・ファン・バウティスタ号の木造復元船の進水日(平成5年5月22日)に合わせたもの。31回の今年は「希望への軌跡 新たな未来に向かって」をテーマとし、実行委(木村亜梨沙委員長)が主催した。

 渡波小鼓笛隊、万石浦小マーチングバンドと地元の子どもたちの演奏で幕開けし、石巻好文館高校のチアリーディング部が華やかさと元気を届けた。雄勝町伊達の黒船太鼓保存会は力強く、渡波獅子風流保存会は勇壮な舞を披露した。

ステージを囲むように多くの人でにぎわった

 飲食の模擬店もずらりと並び、支倉常長ら使節団が渡ったメキシコやスペイン、イタリアの料理も販売し、異国ムードを高めた。桜坂、石巻北、石巻商業の3高と石巻専修大学も企業連携などで製造したパンや菓子類を販売した。

 今年は天候に恵まれ、昨年を2千人上回る1万2千人の人出となった。木村委員長(石巻青年会議所理事長)は「シャトルバスの利用率も高く多くの方に来場いただけた。市民手作りの祭りであり、やはり人の力は大きい」と話していた。

 パーク内にあるサン・ファン舘は秋の再開館に向け、休館している。原寸大の復元船サン・ファン号は老朽化で解体され、現在は4分の1大に小型化された繊維強化プラスチック製の設置、整備が進む。完成は今月末ごろを見込み、船体には3本のマストも取り付けられていた。

マストも取り付けられ完成間近のサン・ファン号

 祭りに合わせ、新たな船を初めて見た人も多く、受け止め方はさまざま。石巻市山下町の女性(46)は「小さい。どうしても記憶にある原寸大と比べてしまう」と語った。同市湊の男性(57)は「賛否あるが、他の展示物を含め、完成しなければ何とも言えない。縮小された船を補完できる展示になるのでは」と期待した。【外処健一】


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