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3―4階に最大200人 東松島市・初の津波避難タワー

矢本運動公園内に来年度

 東松島市は25―26日、矢本運動公園野球場=大曲=南側に整備予定の津波避難タワーについて、周辺地域の住民に概要を説明した。運動公園周辺は3―5㍍の津波浸水が想定され、周辺に高台がなく、最寄りの避難所まで1㌔以上離れている世帯もある。有事に高台避難困難者らが速やかに逃げられるよう、来年度の完成を目指して整備を進めていく。

 避難タワーは、津波をやり過ごすための避難場所。波が引いた後は、近隣の避難所に移動してもらう。建物は鉄骨造4階建てで、鉄骨を縦横に巡らせ一体化させることで強度を確保する「ラーメン構造」。高さ13・2㍍(各階3・3㍍)で、各3―4階を屋内避難所とし、各階100平方㍍の広さを確保する。横沼、堰の内の要支援者と支援者計約200人の受け入れ想定しており、現地周辺に居合わせた緊急避難者も利用できる。上階に向かう通路はスロープを付け、通路幅も広くするなど車いすにも対応する。

周辺地域の住民に説明

 避難所内は間仕切りで部屋割りでき、最大3日分の食糧と水、毛布、暖房器具などを備蓄。壁面には備蓄収納を兼ねた座面開放式ベンチ、3階にはトイレも置く。屋上も使用可能で、平時は野球競技などを観戦ができるよう開放機会も検討している。外観はブルーインパルスをイメージした青と白を基調に清潔感を出す。

 総事業費は約3億円で、3分の2は国の補助金。平時は施錠されているが、震度5弱を観測した際は自動で開錠される。近隣の自主防災会にも鍵を渡しておく。市防災課は「自主防の訓練などでも活用し、有事に備えて施設に慣れてほしい」と呼び掛けた。

津波避難タワーのイメージ図

 横沼地区自治会の菅原幸治会長(76)は「車避難ができる地域だが、災害となれば国道45号への合流時に混雑が予想される。その際タワーに逃げようと駆け込める場所があると有事の避難の選択肢が増える」と安心の大きな材料と期待感を口にした。【横井康彦】


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