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野蒜にグランピング施設

被災元地に今年秋整備

 東松島市で観光施設の奥松島クラブハウスや奥松島運動公園などを運営する㈱アークリンク=本社・東京都=は、野蒜地区の被災元地を使って宿泊施設のグランピングの整備を進めている。オープンは今秋以降。3・5㌶の土地にサウナと桜を楽しむ施設を整え、国際認証を得た奥松島観光の新たな宿泊拠点としていく。

 同社はこれまで奥松島運動公園の管理運営は市から指定管理を受けているほか、奥松島クラブハウスと題し、そば処や軽食処、盆栽、航空写真家のギャラリーなどを展開しているほか、関連会社であるあそら農園も被災元地を活用してイチゴいちご栽培を昨年から本格的にスタートさせるなど、野蒜地区で事業を展開している。

整備が進むグランピング施設

 新たに整備するグランピング施設は、2連ドーム型計7棟で、最大で大人4人と子ども4人が寝られる寝室とリビングがある。外付けの風呂やトイレにもドーム内から行き来可能で、このうち3棟にはバレルサウナを完備。高温の石に水やアロマ水をかけて蒸気を発生させるフィンランド発祥の入浴法(ロウリュ)で〝整う〟感覚を楽しんでもらう。

 夕食も健康メニューを意識し、地場産品を主体の料理を提供する。肉と海産物、あるいはいずれかを主体としたコースから選択でき、屋外デッキに設置した焼き台でミニバーベキューを楽しんでもらう。あそら農園など関連施設と連携し、観光のオフシーズンである冬季もイチゴ狩り体験に加え、夕食でのイチゴの提供などで集客を図るほか、EVキックボードの貸出で野蒜・宮戸地区内の周遊性を高める。

宿泊棟は2連ドーム型計7棟を整備

 宿泊棟以外には、フロント、バー、ラウンジ機能を合わせた3連ドームを駐車場(最大27台)横に設置。子どもたちが走り回れるよう芝生広場も整えているほか、屋外サウナ施設も別に設ける。

 被災元地のため草花が育ちにくい環境だが、宮戸島に自生する塩害に強いヤマザクラを30株植樹。将来的には1千本を植えて桜並木にしていく。

施設周辺にはヤマザクラを30株植樹

 総事業費は約5億円で、県の補助金を活用予定。現在、宿泊施設やフロント施設の整備が進んでいるものの、上下水道整備などインフラ関連で県と開発許可の調整が続いており、開業時期がずれる可能性もある。

アークリンク「魅力的な奥松島に」

 グランピング整備を担う奥松島クラブハウスの桜井佳宏さん(52)は「バギーコース整備なども計画している。国連観光機関からベストツーリズムビレッジの認証を受け、松島町とも定期航路でもつながった奥松島の魅力を感じられる場所にしたい」と意気込んでいた。【横井康彦】


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