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光の大輪 東北最大規模 川開き祭り花火大会

3日間で23万8千人

 第101回「石巻川開き祭り」(2―4日)は幕を閉じた。3日間の人出は約23万8千人で、昨年の100回記念より約3万8千人の減少となった。呼び物である花火大会は開北橋下流で開催。尺玉を含む約1万6千発が打ち上げられ、東北最大規模の花火を大勢の人が見上げた。今年は初めて無料観覧席に飲食ブースが設けられ、10店舗全てに長い列ができていた。

 花火大会は昨年から震災前と同じ開北橋周辺に移った。今年のテーマを「優雅満開 百花繚乱大花火『きぼう』」とし、無料観覧区画のほかに椅子やテーブルを置いた有料観覧区画も設けた。

 無料区画は午前10時に開放され、良い場所で花火を見ようと夕暮れ前から人が集まり出した。堤防を越えた有料席は椅子席や4人掛けのボックス席もあり、ゆったりとした雰囲気だった。

 実行委発表によると有料、無料区画を含めた花火大会の観覧者数は約13万人(前年比2万人減)だった。

 無料観覧区画内の飲食ブースは、実証実験を兼ねて実行委が初めて行った。石巻市内の事業者に限定して10店舗募り、17店舗の応募で抽選となった。実行委担当者の阿部勝浩さん(石巻観光協会常務理事)は「出店者、利用者とも感触はおおむね良好で、大きな不満もなかった。これから意見を集約し、来年につなげたい」と話した。

花火の美しさとごう音を、多くの市民が楽しんだ

 花火は午後7時半から9時まで繰り広げられ、水面に映える水上スターマインや直径約280㍍となる一尺玉が花を広げると拍手や歓声が上がった。同市水押から家族6人で来た立花俊也さん(34)は「日中は暑かったが、夜は過ごしやすい。昨年より混雑は少なく、落ち着ける」と話し花火を楽しんだ。

 今年県外から移住した同市蛇田の中込浩介さん(29)は有料席で観賞。「妻が妊娠中なので、ゆったりとしたテーブルの有料席にした。花火は想像より規模が大きく、迫力に驚いた」と語っていた。
【渡邊裕紀】

優雅になびく浴衣の袖

18団体700人 大漁踊りでフィナーレ

 祭り最終日の4日は大漁踊りで締めくくった。長年続く市民参加型の踊りであり、今年は昨年より2団体20人多い18団体700人がそろいの浴衣や法被で参加。たおやかな流し踊りで、港町の夏に彩りを添えた。

 大漁踊りは午後6時に開始。コースはアイトピア通りの石巻商工信用組合前から立町大通りの七十七銀行前までの約500㍍。斎太郎節と遠島甚句からなる「大漁唄(うた)い込み」が流され、4列縦隊で歩きながら踊りを披露した。道中では音に合わせて太鼓も打ち鳴らされた。

そろいの浴衣に身を包んだ踊り手が祭りの閉幕に彩りを添えた

 石巻商工会議所女性会を先頭に、齋藤正美市長や市議会、市職員厚生会、石巻専修大学、地元企業や町内会などが続いた。観光大使の重田みゆきさんも亜細亜大学の学生とともに参加。先月の都市対抗野球大会で市の代表として戦った日本製紙㈱石巻工場の硬式野球部のメンバーも青のユニホーム姿で踊った。

 沿道から踊りを眺めていた石巻市中央の女性(77)は「震災前、南浜町に住んでいた時は町内会の皆と一緒に出て踊った思い出がある。川開きといえばやっぱり大漁踊り。見に来てよかった」と目を細めていた。【山口紘史】

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