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おでこに夜風

仕事からの帰り、電車に乗っていて
あれ?何かいつもと違うな、と思ったら
電車の窓がいつもより少し多めに、
30cmくらいだろうか 開いていた。
(電車基準法(みたいなものがあるかは知らないけれど)
的にはちょっと危険かもしれない、というくらい開いていた)

おでこに夜風が当たって心地よく、
車に乗っているときの感覚を思い出した。
窓を一枚隔てて見える夜景とは違う、
隙間から肉眼で見える夜景は
うっとりするほど綺麗だった。

ここでいう夜景というのは、
特別なイルミネーションなんかじゃなく
あかりの灯る窓が暗闇にぽつぽつと浮かぶ、
なんてことない景色。
わたしは電車の窓からその景色を見るのがすきだった。

いつもはぐったりしながら乗る満員電車も、
きょうだけは何故かいつまでも、いつまでも乗っていたいと思った。

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2021年10月7日

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