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HF最終章を観ました


※これより先は「Fate/stay night [Heaven’s Feel]」Ⅲ.spring song」のネタバレしかない感想文です。まだ観てない、これから観る予定の方は注意して下さい。
あとパンフの内容もちょっと触れてます。本当にちょっとだけど、嫌だよ〜って人も注意して下さい。

観た方向け。最終章最高でしたよね………!!!!!!!!!







気が急ってしまって始まる2時間前に劇場に着くという遠足前の小学生かよみたいな事をやらかしましたが、どうにか観ましたHF。
3月に公開延期し、来たる8月15日、とうとう公開しましたHF。第一章、第二章と映画を観た後に「間桐桜の事が知りたい…!」と原作に手を出し彼女に魅了されて絶対に最終章で桜の笑顔を見届けてえ!!となっていたので始まる前から妙な手汗が止まらなかったです。
そんなキモオタエピソードは横に置いといて、HF最終章がスゲ〜良かったという話をさせて下さい。


冒頭、桜が凛ちゃんを倒した時に「姉さんはヒーローなんだから」とトドメを刺そうとしたシーン

冒頭からブッ刺されました。一章では「私にとってのヒーロー…」とリボンに触る桜が描かれ、二章では桜のピンチに窓ブチ破って突入する凛ちゃん(しかもその時の桜の表情が素晴らしい)を描き、とうとうここで「間桐桜にとってのヒーローとは遠坂凛である」を決定的に描きました。その遠坂凛を二度と立ち上がらせまいとトドメを刺そうとするシーンで。

悪魔かよ…。いや最高だったんですが。

その後、ライダーによって衛宮邸に到着した衛宮くんが真っ先に駆け寄ったのは凛ちゃんで、それを見た桜が段々と″″″憎悪″″″(いや、無かな?)に変わっていく表情…素晴らしかった。あんなの原作だったらバッドエンドルートにしか行きませんよ。映画だったのでタイガー道場は出てきませんでした。
あとライダーが桜に「そこには何もありません。ただ暗いだけ」と声をかけるのも良かったです。かつて怪物となり最愛の姉たちを食ってしまったライダーさんだからこそ言える。
ライダー、ポジション的には妹なんですけど対桜だとお姉さんポジションになるのがいいですよね。


イリヤ救出の際、窓に向かっていったイリヤは完全に諦めてたのにそこに窓ブチ破って突入する衛宮くんのシーン

いや、窓ブチ破ったというか言峰神父によりブン投げられたというか…。
イリヤ、もともと「お父さんが迎えに来てくれなかった(助けに来てくれなかった)」少女であり父に愛憎拗らせてるので桜との親和性高いんですよね。桜も「お姉ちゃんが迎えに来てくれなかった(助けに来てくれなかった)」少女だし。
初めて迎えに来てくれた人が衛宮くん、という状況なの、改めてこれ凄くいいなぁ…ってなっちゃった。
やはり映像になると″良さ″が上がる。あとこれ書いてて思ったけど二章で凛ちゃんが窓ブチ破って突入するシーンと今回の衛宮くん窓ブチ破りシーン、もしやリンクさせてるのでしょうか。イリヤにとってのヒーローは衛宮くん…!?


対バーサーカー戦

イリヤと衛宮くんの「兄貴は妹を守るもんだ」を丁寧に描いてくれたのでひたすらありがてえ〜〜〜…!!グリフィンドールに5000兆点。
あと個人的にびっくりしたのが生前のヘラクレスの姿が描写されてた事です。こんなの初めてでは…。早い早いもっとゆっくり見せて。

アーチャーの腕を使う時EMIYAが流れたの鳥肌立ったウワ〜〜〜そんなのカッコいいに決まってる〜〜〜!!
「てめえの方こそついてきやがれ」ってほんとその通りで、だってこのルートの衛宮くんって桜だけの正義の味方になる事を選んでしまっていて、エミヤが進んだ道とはもう決定的に違えてしまってるんですよね。そんなかつての自分を見送るアーチャー、その心情はいかに…。
でも人間のフリしたロボットが本当の人間へと戻っていく姿、決してアーチャーにとってマイナスだけでは無いと思ってます。だから微笑んでたんだし。
微笑んでたよね?まだ一回しか観てないからオタクの願望で記憶おかしくなってるかもしれない。また観なきゃ…。
追い越した後に青空が広がってるのも感無量でした。アーチャーの選んだ道とは違うというのをここまで押し出してくるか〜!


言峰神父のシーン

誰ですかボロボロの十字架の前で言峰神父に洗礼詠唱唱えさせて蟲爺を殺すシーンにしようって言ったの。
最高でした。焼肉を奢らせて欲しい。
人の不幸からしか幸福を得られないのに法や秩序を重んじ自分が罪人である事を理解している生まれながらの欠陥者でありながら、あのシーンの言峰神父は間違いなく聖職者だった。神々しさまで感じる。
あと実を言うと言峰神父のシーンカットされてもおかしくないかな…と思ってたので滅茶苦茶丁寧に描いてくれたので、い、いいんですか〜〜!?となりました。


アンリマユ説明シーン

アンリマユを説明するシーンで冬木の街並みを描写するの、上手すぎて膝叩いた。
そう、こういう日常を守るために犠牲になった一人がかつて居たんです…居たんですよ…。犠牲の上に成り立った平和…誰からも恨まれ誰からも崇拝されたこの世全ての悪…。それがやがて60億の人間を殺す呪いになったんですよ…。


始まりの御三家のシーン

ユスティーツァが生贄となったシーンでウワッ遠坂と間桐の祖先!!!!!!!!って思ってしまった。ユスティーツァが目の前で死んで、遠坂は至極冷静なのにマキリは明らかに動揺してるんですよね。こうなると分かっていたはずなのに、目の前でお出しされるまでどこか分かってなかったんだろうな…。まんま凛ちゃんと桜(慎二)の系譜じゃんね、この反応…。あとこれも書いてて思ったのですが遠坂の反応をしない桜、やっぱり間桐の人間なんだなぁ…。
若きゾォルケンを見て衛宮くんが「慎二?」と声をかけるのも良かったです。蟲爺的には不出来な孫だったかもしれないけど、明らかにあなたの血を継いでるんですよ…。


桜が蟲爺と真アサシンを殺害するシーン

何がいいって桜が二人を殺した後に「どうしよう…」って途方に暮れるシーンが入った事なんですよ。
これでやっと、という気持ちと「本当に一人ぼっちになっちゃった」が見えていい。祖父の存在は恐ろしかったけど、一人では決して無かったから…。
可愛いね桜…どれだけ強い力を得てもどうしようもなく心細くて誰かに居て欲しい少女性が残ったままな怪物、本当に可愛いね…。


セイバーVSライダーのシーン

ぜっっっってえライダーさんの戦闘シーンをカッコよく描くぞ!!!!!!!!!!というスタッフの気合いを感じる。そうなんですよね!だってライダーさんがガッツリ戦闘し勝利するの、実際HFが最初で最後だもの!!
もうここぞとばかりにライダーが魔眼を使いセイバーを翻弄するシーン、もうここすごいカッコ良かった画面が滅茶苦茶動く。
あとライダーがセイバーを煽ったのがいいですね。「彼は動きませんよ。私はシロウに信頼されてますから。そういえばあなたは…」みたいな事言ってセイバーがキレたの良かった。そうだね、セイバーの時は何度言っても衛宮くん動いたからね…。でも別に信頼してなかったとかそういう訳じゃなくて…(ろくろを回すオタクの図)
原作ゲームだとボロボロになったセイバーにトドメを刺すか迷うシーンが入るのですが、映画ではんな事やってる場合じゃねえと言わんばかりに衛宮くんが即トドメを刺したので、そりゃそうだよな!!となってしまった。あんな鬼強セイバー相手に迷ってる場合じゃない。
ただ「人の心が無い…」となったのは衛宮くんがトドメを刺す寸前に「シロウ?」と、衛宮くんのサーヴァントだった時のセイバーの声で衛宮くんの名を呼んだ時です。あまりにも人の心が無い。
パンフ読んだら川澄さんが「セイバーオルタは最期セイバーに戻ったのかもしれない」とか仰ってたから益々人の心が無い。

ありがとう…お前に何度も助けられた…。


大空洞での姉妹喧嘩のシーン

正直これが一番観たかったと言っても過言では無い。

遠坂凛がスゲ〜〜〜〜〜美しく描かれてて涙出た。桜が最も憧れた女…宝石の女…奪うしか出来ないマキリの魔術を備えた桜が、どうしても奪えない手が届かない女…。
あ〜〜〜〜これですこれこれ、間桐桜という女にとってのヒーローであり美の象徴であり憎悪の対象、遠坂凛、遠坂凛でございます。最高。この世に遠坂凛を生み出してくれた全てに感謝を。

桜が今までの恨み辛みを凛ちゃんに向かって吐き出すシーン、原作だとかなり長くてどうするのかなと思ってたらそこをスッキリとカットした上でそれでも桜の長年の恨みを吐き出すに相応しい形に再構築してたので、いや〜もう…文句ひとつもございません…。ちゃんと「11年です」と「それって私のせいですか?」が入ってたので…。そうそうその言葉は外せないよね…。監督の桜への解釈、あまりにも信頼出来るな…。
あと映像化にあたって追加シーンが入ってたんですけど、凛ちゃんが価値なんてとても付けられない宝石剣をぽーんと放り出した後特攻し、傷だらけになりたがらも桜に飛びかかるシーンが滅茶苦茶カッコよくて、でもその時桜を目に入れて過去回想入ったのがあまりにも好きすぎて息止まった。

幼い頃、ポーカーをして遊ぶ二人。
桜が自信満々の笑顔で手札を開示して、「姉さんに勝てた?」ってすごくわくわくした顔で姉を見てる。
それを見て凛ちゃんは困った顔になりながら、自分の手札を見る。妹のそれより明らかに強い手札を見て。

「あ、ダメだこれ」

そして現在とリンクするの、も、や、だから誰ですかこれ入れようって言ったの…!!もうボロボロ泣いた。
殺せるんですよ、勝てるんですよ、しかも手札さえ揃えば凛ちゃんは桜に苦戦なんてしないの、それを過去姉妹として過ごした日々とリンクさせてお出しするのズルいでしょ、遠坂姉妹好きであそこでブッ刺されないオタクは居ません。すみませんオタク特有のクソデカ主語が止まらん。
昔も今も桜を見てから駄目だって思うのがいいんですよね。美しくて完璧で冷酷でヒーローな遠坂凛の人情を引き出せるのはお前だけなんだ桜…!!
その後に取り乱す桜が見てて痛ましい。それまで姉さんの気を引きたくて「すごいでしょ?」とやってたので、その姉を自分で壊してしまった重大さにやっと気付いた。負けるなって言ってくれたのに…。
桜、気付くのが遅かったと言ってるけどそんな事はないんだよギリギリで間に合ったんだよ〜凛ちゃんには頭が上がりません。凛ちゃんが間に合わせてくれたんだから…。


桜と衛宮くんのシーン

私は映画を見てからゲームをやったという変な経歴を持つオタクなので、二章雨の公園のシーンで桜が衛宮くんを拒絶しながらも、衛宮くんがそれに意を介さず彼女に歩いていくシーン、はぁ〜衛宮くんカッケェ〜…とか思ってたら、大空洞で何度桜に拒絶されても歩みを止めない衛宮くんのシーンを踏襲していた事をゲームプレイして気付きひっくり返りました。

監督………一生着いていきます………!!

そんな訳で大空洞でのシーン、雨の公園の時「桜だけの正義の味方になる」と言葉にした時同様にに歩みを止めず「お仕置きだ。きついのいくから歯を食いしばれ」となったの、あまりにも最高。冒頭からずっと士桜最大瞬間風速記録更新し続けた後にダンプカーで突っ込んでくる士桜。はい最高。語彙力の低下。仕方ないだろ最高なんだから。
凛ちゃんのシーンが前に入ってるので桜の目にハイライトが入ってたのも良かったですよね。ゲームでもこの時の桜ってハイライト入ってるんだよ。妹の目に光を灯したのが宝石のように美しい姉が地に倒れ伏した後、好きだな…。


言峰神父とのステゴロシーン

桜の全裸どうするんだろ原作だと静止画一枚で済んだけど映像だとそうはいかんだろ!?と思ったらちょろちょろ出ていた小さな影くんが上手い仕事しました。
この影くん、二章ラストで仲間外れにされてたりイリヤを導いたり凛ちゃんの横を歩いたり物陰に隠れて怯えていたり、なんか憎めないんですけどこれってまさか殺された慎二くんのメタファーなんじゃ…ラストピースは慎二くんだったし…。いや分からん。

ライダーに桜と凛ちゃんを託した後アンリマユに向かう衛宮くん、呆けたような顔してるんですよね。
確か原作でも力を使い過ぎてこの時訳分からなくなっちゃってるから。本当に、これから大仕事するんだぞって時にすっごい呆けた顔してる…。

そんな時に現れました言峰神父。
言峰神父の「妻の死で自分は救われなかったけど、その死を無意味なままにしておきたくない」という信念の元アンリマユが生み出されるのを見届けたいの、その事衛宮くんに伝えれば多分ある程度衛宮くんを揺さぶれるだろうに絶対妻のこと口にしないのいいですよね。
あとあくまで聖職者である彼がステゴロの前に十字架を捨て、その後事切れた彼の指先に捨てた先に十字架があるの、エモの極みかよと恐れ慄いた。いやマジで言峰神父滅茶苦茶丁寧に描かれてる…ビビった…。
我が主さえ問い殺そうとまで言う男が自分の妻の死を無意味なままにしておきたくないと思うの、本人は妻を愛してないと言うし実際本当に愛してないんだろうけど、でも多分それは神父にとって愛に最も近いものだったんだと思うよ派。


イリヤと衛宮くんのシーン

兄貴は妹を守るものなんでしょ。私はお姉ちゃんだもん。弟を守らなくっちゃ。

冒頭で「兄貴は妹を守るものだ」と言った衛宮くんにこう答えるイリヤ、好きだ…。
あと「生きたい?」と尋ねたイリヤに、アーチャーの腕を使い過ぎてボロボロになり言葉がつっかえつっかえになりながらも「生きていたい」と答えた衛宮くん、イリヤが魔法を使う事により消滅し、その時になってやっと彼女の名前を思い出して泣きながらイリヤの名を呼ぶ衛宮くん、もう本当に、やっと人間のフリしたロボットが人間に戻ったんだなって…。
大聖杯の中に母がおり、駆け寄っていくイリヤ、正装が剥がれただの「イリヤスフィール」の姿になったのもいいですね。アインツベルンのホムンクルスでも、バーサーカーのマスターでも、聖杯の器でも無いただのイリヤ…。
衛宮くんが迎えに行き、最後は自分で母の元へ走っていった少女。いや〜彼女の生き様、本当に素敵ですよね。


エピローグ

桜の目に瞳孔があった!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!HF、完!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
櫻を見に行った時に当たり前のように冬木のみんながいて、でも慎二くんだけが居ないの、そりゃそうだよな失ったものが全部戻ってくる訳無いんだよな…。なんだかとても幸せな光景なのにすごい違和感でした。
でも小さな影くんが残ってて、いやトゥルーなら大聖杯の魔力は桜のものなんだから居てもおかしくないんですけど、やっぱりあの小さな影くん慎二くん要素あるんじゃないかなぁ。全部失った訳ではない、的な…いやそんな事無いか…。
衛宮くんと一緒に櫻に向かって踏み出すの、最終章キービジュアルとリンクしてて良きです。その先に雷雲は立ち込めてるけど、櫻が咲き誇り決してこれからの二人が辛いだけの人生じゃないと暗示してるあのキービジュ好きです…。




バーッと思った事書き連ねました。
まだ一度しか観てないので誤解してるシーンや読み込みが浅いとこもあるかもしれない…。もう一度…いや何度でも観たい…。
戦闘シーンが良かったのも素敵なんですけど、もうすごいファン向け映画というか「お前ら当然事前知識は持ってるよな!!行くぞォ!!」感満載だったので良かった。下手に知らない人向け説明描写とか入れてたら絶対2時間でまとめあげられなっただろうし。
正直HF後半のあの怒涛の展開を2時間でまとめるの無理なんじゃないかなと思ってたんですけど、蓋を開けてみたら完璧にまとまってていや〜〜プロってすげ〜〜〜!!本当に杞憂でした…申し訳ありませんでした…。

まだパンフをちゃんと見れてないのですが、奈須先生へのインタビューに「桜をお嫁に出そうと思ったら『これが私の考えた桜です』と嫁を逆提案された」の一文に笑いましたし、須藤監督の桜への解釈本当に丁寧でもう本当に文句の付け所が一切御座いません。

待ってた甲斐があった……春が来た……桜の笑顔…この笑顔を見たいが為に俺は僕は私は……ありがとうHF……間桐桜を好きになった本当に良かった……。



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