きょう一日をたいせつに。
ネイティヴ・インディアンの言葉に
「きょうは死ぬのに良い日だ」
という文言がある。
この言葉をはじめて知った時、ぼくはなんて幸福感に満ちたいい言葉なのだろう、としみじみ感じ入った。
生物である限り自分もいつかはぜったいに死ぬ、ということを普段人間はあまり考えずに生きている。
しかし、人は自分もいつか死ぬということを心のすみに置いてはじめて一日一日を大切に過ごすことができるのではないだろうか。
そしてネイティヴ・インディアンの
「今日は死に日和だなあ」
というのは、いまある幸福にたいする感謝の言葉なのだと思う。
天気はいいし、家族はみな健康だし、とりたてて頭を悩ます問題もないし……。どうせいつか死ななければならないのならば、こんな穏やかで幸せな日に死にたいものだ、という感じだろうか。
人間は幸福と裕福を混交したり、イコールととらえたりするけれど、幸せに生きて死ぬということは、ちいさな幸福を当たり前の事とせずに、どれだけ感謝できるかが大切なのだと思う。
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