ユ**くんは探しています
*本稿は実話を基にしたフィクションです。
*記事内の画像は、筆者が再現したものです。
1
2020年4月20日
アオイさんは妻の数年来の友人だ。遠方に住んでいるため顔を合わせることこそ少ないものの、同じジャンルのオタク仲間としてパワフルな付き合いをしていたらしい。
実際僕も会ったことがあるが、声のでっけえ快活な女性という印象であった。
「来月あたり、ウチに呼んでもいいかな?」
いくらでも遊びに来てくれ。我が家はオタクに広く門戸を開いている。
「あれ、アオイさんって結婚してた?お子さんいる?んだっけ?」
「ユキトくん、だっけな。そんな名前の息子さんがいるよ。去年結婚した旦那さんがバツイチで、シングルだったんだって。一緒に来るか聞いてみるね。」
ユキトくんは7歳か。ちょうどウチの子供(小太郎)と同い年だった。
妻も僕と結婚する前はシングルマザーで、小太郎を一人で育てていたのだ。なんとなく境遇が似ているうえ、年齢も一緒とは。
小太郎に「ユキトくんと友達になれるかもよ」と伝えると、ニヤニヤしながら「それはさあ・・・場合による・・・」と妙に正しいことを言われた。
2020年5月9日
アオイさんと、夫のトモヒサさんが来訪した。
残念ながらユキトくんの姿はなかった。
他の予定が重なったらしく、祖父母と一緒に出かけたとの事である。「場合による」ってこのことか。
妻とアオイさんが盛り上がっている間、僕はトモヒサさんと話した。
内容はほとんど世間話だ。仕事のことや、地元のこと。初対面だしね。
トモヒサさんは、にぎやかに喋るアオイさんとは対照的な、落ち着いた人だった。小柄で童顔、態度や風貌からも素直さが見て取れる。
死別してしまったフランス人の元妻との間に産まれたユキト君を連れ、大恋愛の末にアオイさんと籍を入れたそうだ。ぜんぜん境遇一緒じゃなかった。凄い話である。
といった事情も、本人からではなくアオイさんから聞いた話だから、なるべく過去の話題は避ける。
レゴをいじる小太郎をなんとはなしに眺めつつ、
「そういえば、ユキトくんってどんな子なんですか? 写真とかあったら見てみたいです」と聞いてみた。
「ユキト、のですか?」
「あっ、ユキトの写真ね!」とアオイさん。
「ちょっと待ってね~、探す探す」
アオイさんがスマホをスワイプしている間、僕はケツを掻く小太郎を注視していた。
あのケツを掻く動きが、あの指が、アナル方面に向かうのであれば、トイレでもう一度尻をふかせなくてはいけない。
緊張の一瞬。右の尻たぶをポリポリしたのち、そのまま右手はレゴブロックへ向かった。一安心である。
一方、アオイさんは「ごめん!なんかすぐ見つからないわ」と言って、スマホを閉じてしまった。
トモヒサさんは、黙って笑顔を浮かべていた。
夕飯を食べて、小太郎が寝るころに二人は帰った。
「またね~!また絶対遊ぼうね!」と最後まで元気なアオイさんと、会釈するトモヒサさんを玄関で見送る。
ドアを閉めた時、妻が小さく溜息をついたのが分かった。
リビングに戻り、二人でコーヒーを啜っていると、
「無い訳なくない?」
だしぬけに妻がそう言った。
なにが?と聞き返す前に妻は「写真だよ。」と続けた。
アオイさんの子供の写真。
無いはずないじゃん、自分の子供なんだから。
「あ~、まあ・・・。」
別に、パッと出てこなかっただけじゃないの?と言いかけると、
「もっと変なのがトモヒサさん、っていうかユキト君のパパだよ。「ユキトくんの写真見せてくださいよ」って言ったとき、ユキトくんの名前聞き返してたよね。」
「確かに・・・。」
思い返せば、耳に入ってきた名前を反射で返す、軽いニュアンスではなかった。
もっと具体的だ。想定外のことが起きたような。まるで、
「「ユキトって、誰?」って感じだったね」
僕たちは沈黙する。おいおい、どしたどした。さっきまであんなに楽しかったのに。不気味な予感が内臓にジワリと広がり始めた。嫌すぎる。
なんかこう、このテーブルに座っているのすら怖くなってきた。
思わず立ち上がる。妻は立ち上がらない。スマホで何かを検索し始めていた。
「これ以上の決定的な情報はもう怖いから聞きたくないんですけど!」
「残念、見つけたと思う。」
これ、と言って妻が見せた画面は、アオイさんのツイートだった。
「ユキトくんが映ってるこの画像を、Googleで検索してみたんだけど」
「6年前の、全然知らない人のブログの画像だった。
子供、実在しないんじゃないかな。」
・・・アグリー、とビジネス用語で返事をした。
怖い話から遠いビジネス用語を使うことで、恐怖を軽減することができる大人のテクニックである。
思えば、『ユキトくん』の存在は、アオイさんの口からしか聞いていない。
今日来られなかった理由も、トモヒサさんの前妻のことも、すべてアオイさんから聞いた話だ。
考えるほど、怪しい点が増えていく。
アオイさんは子煩悩のはずだった。最近は更新していないようだが、Twitterでもユキトくんとのエピソードをよく投稿していたように思う。
今日は、写真の一件以降、一回もユキトくんの話をしなかった。
息子と同い年の子供が目の前にいるにも関わらず、である。
子供の話題を振ると、トモヒサさんが何かを言う前に、アオイさんが引き取っていた。
まるでボロが出るのを恐れるように。
妻がアオイさんとのLINEトークを遡った結果、もう一つわかったことがある。
『ユキトくん』は先日まで、別の名前で呼ばれていたのだ。
『ユキ「ヤ」くん』だ。
これが『ユキ「ト」』の呼称に変わったのは、アオイさんが新居に来る約束をした日からである。
妻が誤称した『ユキト』が、なぜかそのまま定着している。
これ以降のやり取りでも、『ユキト』の名前が使われていた。
自分の子供の名前があやふやな訳がない。まるで意味不明だ。
月並みな物言いだが、「わからないものは怖い」。
今日のアオイさん夫婦が不自然だったことは間違いないが、
もしユキトくんが存在しなかったとしたら。
一番大きい「わからない」が残ってしまうのが怖い。
なぜ? なんの意図があってそんな嘘を?
2
2021年6月14日
アオイさんからパッタリ連絡がなくなって1年以上が経った。
あのあと妻は当たり障りのないメッセージを送ったが、そのやり取り以降、アオイさんはLINEアカウントを消してしまった。
SNSも、更新が止まったまま放置されている。
なぜかは分からない。やっぱり子供は実在しなくて、僕らが気づいたことを察したのだろうか。
不自然なうすら寒さは残るものの、時間が経ち、すっかり『ユキトくん』の件は忘れていたある夜。
僕の友人から連絡があった。名前を佐々木という。
「寒川、俺見つけたと思う」
「なにを?」
「アオイさんの別アカウントだ。送るから奥さんと確認してくれ」
佐々木はいわゆる『ネットウォッチャー』の一人だ。インターネット上の奇人に多大な関心を寄せており、アオイさんの話も嬉々として聞いていた。
まさかコイツ、去年からアオイさんを探していたのだろうか。
送られてきたTwitterアカウントを妻と一緒に確認したところ、アオイさんのもので間違いなかった。メチャメチャ本人の自撮りを上げていたからだ。
こちらのアカウントは、最近も普通に更新されているようだ。
「凄いな、佐々木。どうやって見つけたんだよ」
「まず、謝らせてくれ」
「?」
「発見に時間がかかって、すまなかった。」
「そんなに求めてないし、お前が勝手に探したんだろ」
「アオイさんの旧アカ『ジャギの末裔』のフォロー欄がヒントだったってとこかな。趣味は変わってないんだろう。フォローしてるアカウントは結構被ってたから、そこから同定していったんだ。ただ・・・」
「ただ、何?」
「いや、なんでもない。気になるツイートだらけで面白いぞ。まずこれだ」
ん???
トモヒサさんから、プロポーズされたときの話?
「いや、それだとおかしいよ」と妻が言った。
「アオイさんから結婚の報告されたの、2019年だもん。これ2020年4月のツイートでしょ」
「続けて、これを見てほしい。去年の6月のツイートだ。」
おいおいおいおい。
「おいおいおいおいおいおいおい!!!!」
「なんだよ」
「ユキトくんはどこ行ったの!?」
「少なくとも、こっちのアカウントでは、この赤ちゃんが長男だな。旦那さんの写真もアップされてるぞ。」
絶対にトモヒサさんではない男が現れた。
「誰なの? 怖いよおッ!」
「そう。『ジャギの末裔』と『バーロー岬』、どっちもアオイさんのアカウントだけど、アップされてる旦那さんの写真が違うんだよ」と佐々木は言う。
「てことは、トモヒサさんは夫じゃない、ってコト!?」
じゃあウチに来た人、何者なの?????
「まとめると、アオイさんは矛盾した二つのストーリーを持ってることになる。ストーリーA、ストーリーBとしてみよう。」
「トモヒサさんとスピード離婚すれば一見可能に見えるスケジュールだが、それは考えづらい。
2020年4月に長年付き合ったX氏にプロポーズされているのに、2020年5月にトモヒサさんと共に夫婦としてお前の家に来ているからだ。」
要するに、と佐々木。
「両立しない以上、AとBどちらかは嘘だ。
今のところ、ストーリーAの方が嘘である可能性の方が高いよな?」
「ユキトくんの存在自体がかなり怪しいから、そうなるね。」
「つまり、本当はアオイさんはX氏と婚約関係にあったが、『ユキトくん』に関する嘘がバレるのを嫌がった結果、おそらく友人のトモヒサ氏を夫役に仕立て上げ、君らの家にやってきた。こういうことになる。」
なるほど。
正直アオイさんより佐々木の情熱の方が不気味になってきたが、筋は通っていると思う。
「あっ」
妻が声を上げた。
「トモヒサさんは、ウチに来る前にアオイさんと打ち合わせしたはずだよね」
「そう、なんじゃないかな」
「その時、子供の名前を『ユキ「ヤ」』って伝えたんだと思わない?」
妻によるとこうだ。
アオイさんの設定では、子供の名前は『ユキヤ』であり、トモヒサさんにも共有していた。
しかし、妻と話す時、ある時期から間違えて『ユキト』になってしまっていた事を忘れていた。
だから、あのときトモヒサさんは『ユキトくん』の名前を出されて混乱したのだ。
話が違うぞ、と。
これらの説にも穴はある(そもそもTwitterに書いてあることが本当とは限らない)のだが、今までの意味不明さに比べればだいぶマシだ。
妻が言うには、アオイさんが『ユキトくん(ユキヤくん)』の話をしだしたのは、妻が小太郎を産んだあとの数年間、シングルマザーだった時期だという。
「まあ、私を元気づけるためだったんじゃないのかな、とも思うんだよね。引っ込みがつかなくなっちゃったんじゃないかな。」
もし、また連絡くれたら。と妻は言う。
「今度はちゃんと子供の話ができるね。赤ちゃん生まれたんだもの。」
「とりあえず納得できた、ってことで、佐々木。一応ありがとう」
「おう、またなんか分かったら・・・」
「いや、もういいもういい。他の人を追ってくれ。」
佐々木との通話を切り、妻と目が合った。奇妙なウソをつかれた悲しみはあれど、正体不明の恐怖からは解放された気がする。二人とも、少しだけ頬が緩んだ。
「なにか飲もっか」と妻がキッチンへ向かったとき、ふと思い出す。
佐々木、さっき何を言いかけたんだろう。
3
2022年4月1日
僕らは子供の春休みでいっぱいいっぱいだった。遠出もしづらいため、基本的には自宅で過ごす春休みだ。
小太郎は、赤ペン先生のテストを完全に白紙で提出していた事がバレてしまった。
内心「やるねえ」と思ったものの、親なので「しっかりせい」と言わなくてはならない。
特に妻にはギッッッチリと絞られ、すっかり落ち込んだ小太郎を寝かしつける。
妻はソファでグッタリしていた。怒り疲れたのだろう。
小太郎がシュンとしているのは今だけで、どうせ明日はすべてを忘れて元気に飛び起きてくる。
その未来が見えています、そのへん含めてグッタリしています、よろしくお願いします。そういう顔でスマホをいじっていた。
僕もなんとなくTwitterを開く。
エイプリルフールに則ったユーモアが、タイムラインを遡上していく。
インターネット上におけるエイプリルフール。
もう賞味期限が切れて久しい気がするが、自分が歳を取っただけかもしれない。バーチャルで加齢を実感する時代だ。
あー、よくある感じのバズってるツイートだ。
こういう文面見ると、えーっとあの人。誰だっけ。あの人っぽい。
ソファに座り、「ねえ」と妻に声をかける。
「こういうツイートの文章ってさ、あのー、あの人。・・・アオイさん!アオイさんを思い出すよね」
確かに、と言いながらニヤッと笑った妻の眉間に、急に皺が寄った。
「ていうか、これアオイさんじゃない?」
*********
アオイさんは、出産報告の後、しばらくして『バーロー岬』の更新をやめていた。
今回見つかったのは別のアカウント(『まちおか大学』)である。
同定できた理由は、メチャメチャ本人の自撮りを上げていたからだ。なんで毎回そこのワキは甘いんだよ。
問題は、その内容である。
なぜか未婚の状態に戻っとるんだが。
うーん。
このツイートの写真、まさかとは思うんだけど・・・。
これってさ・・・。
えっ、
ヤッベ~~~~~。
僕も妻も、もはや半笑いであった。
一応、佐々木に連絡を入れると、すぐに電話があった。
見つけた経緯を話すと、「そんなんズルじゃん」と悔しがっていた。
ズルとかあるんだ。
ざっとツイートを確認すると、子供は産んでいないことになっており、コンサル会社で働く独身キャリアウーマン(彼氏アリ)に変身していた。
ストーリーCである。なんなんだこいつは。
しばらくツイートを読んでいるうちに、電話の向こうで佐々木が笑いだした。
「わかった、わかった。恐れ入った。この人はかなり凄いよ!」
こいつもなんなんだ。
「なにがわかった?」
「前回アオイさんのアカウントを調べていた時に、2つのアカウントの相互フォローリストに一切の被りがないのが少し気になったんだ。ようやく意味が分かったよ!
この人は、こういう生き方なんだ。ユキトくんどころの話じゃなく、彼女は人生そのものを騙って生きている!」
アオイさんは、定期的に自分の設定を一新して、そのたびに人間関係もリセットしてるんだ。
思い当たるフシがないか、佐々木に聞かれた妻が答える。
「そういえば、私と仲良くなる前の界隈とは喧嘩別れしてる、って聞いたことがあるよ」
「まさにそれだ。俺の予想が正しければ、その「前の界隈」とやらには別の設定を吹聴していたんじゃないか。バレるか、飽きたかして切ったわけだ。分かりやすく説明すると・・・」
「待ってくれ。」
僕は静かに言った。
「アオイさんの正体はわかった。そして、その説明は任せてほしい。」
解せないのか、佐々木が少し動揺している。
「なんで・・・というか、どういう意味」
「アオイさんは、アメコミで、俺はアメコミが大好きだからだ。」
こんにちは。アメコミの話をしたい男です。していきます。
さて、アメコミには『リランチ(relaunch)』という文化があるのをご存知だろうか。
『リランチ』とは、キャラクターや世界観の性格・性質を保ったまま、設定の変更が行われることだ。その方法は様々で、ストーリーが行き詰まったり、テコ入れが必要な時に起きやすい。
例として、2007年の『スパイダーマン: ワン・モア・デイ』におけるリランチを紹介しよう。
スパイダーマンことピーター・パーカーは、ある事件によってその正体を世間に明かしたが、妻のMJや、親代わりのメイおばさんの命が危険に晒されたため、悪魔と契約して正体の暴露をなかったことにした。
契約の代償という名目で、MJとの結婚を含む様々な設定も、ついでに「なかったこと」になった。かわいそ。
キャラクターの運命や生死すら、制作サイドの都合で「なかったこと」にしてしまう剛腕。これがリランチである。
長年同じキャラクターで物語を作る、アメコミならではの現象だと思う。
リランチはやりすぎると読者が離れるし、設定もむやみに複雑になりがちなので、ふつう頻繁には行わない。
しかし、これを超ショートスパンで、しかも人生という舞台で行っているのがアオイさんの正体と予想される。
この図をご覧いただきたい。
我々が観測できたアオイさんのストーリー3パターンを、それぞれ「A期」「B期」「C期」としてある。
彼女は自分が作った設定の中で生きており、定期的にソレが一新されるのだ。マジでリランチそのものである。
現実はコミックではないので普通そんなことはできないが、リランチ時に交友関係(オンライン上含む)をすべて断つことで無理やり可能にしているらしい。
設定を「なかったこと」にする方法として、読者ごと「なかったこと」にするわけだ。A期にはA期の、B期にはB期の読者しかいてはならないのだ。
すごいよ、アオイさん。MARVELもDCもそこまではしねえぜ!
「・・・という感じで、本当にアメコミそっくりで」
「自分の分野の話がしたすぎる、オタクの良くないところが出てると思う」と妻が言った。正論だった。
「・・・まあ、表はありがたいですよ」
佐々木がぬるりとフォローしてくれた。ありがとう。
「これを見ると、君らの家で2020年5月に何が起きたのか、わかりやすくなる。」
結局、あのとき何が起きたのか?
トモヒサさんとの打ち合わせミスの流れなどは、おおよそ去年推察した通りだろう。
アオイさんが残したツイートやLINEログを基に、A・B・C期の時期をおおまかに特定し、表に年月を入れていく。
すると、彼女の「もうひとつのミス」が浮かび上がってきた。
おわかりだろうか。
2020年5月時点では、すでにB期に入っていた。
つまり、A期の読者である僕と妻を切り忘れているのだ。
「いろんな人にいろんな種類の嘘をつきすぎて、本人も混乱してたんじゃないのかな。」と佐々木は言う。
「アオイさんはB期の読者だと勘違いして君ら夫婦に接していたけど、実際はA期の設定を認識していたワケだ。」
引くに引けないアオイさんが取った、苦肉の策。
トモヒサ氏を連れ立った訪問がそれだ。
『ユキトくん』は用意できないが、夫役の人間とともに、A期の最終話を演じにやってきた。
そしてそれを最後に、妻とも連絡を絶った。
次のストーリーへ旅立つために。
海が似合う夫と、最愛の赤ちゃんのために。
推理したことが全て事実だったとしても、別に僕も妻もアオイさんを責める気持ちはサラサラない。この生き方をする事情も動機もわからないし。
「なんだコイツ~?」とは思っているので、ネットウォッチャーに話しちゃったし、プライバシー保護のためにフェイクは大量に入れたものの、こうやって文章にまとめるし、さらにソレをウェブメディアの賞レースに出そうとしているが、逆にそれを責められる義理もない。
変な怖いことして連絡断つヤツが一番悪い。ナメるなよ。
できればこんな形で別れたくはなかった。
友達として、ちゃんと事実を知りたかった、と思っている。
不思議なのは、嘘がバレるリスクを負ってまで我が家に来た理由だ。
リランチ行為がバレたくないのなら、こちらがA期の話をしている時点で連絡を絶ってしまえばよかったはずだ。
妻とも佐々木とも話したが、明確な答えは出ないままである。
だけど、もしかしたら。
もしかしたら、あのとき迷っていたんじゃないか、と思っている。
妻との友人関係は『リランチ』したくない、と。
それだけは、少しだけ信じている。
友達にはもう戻れないかもしれないけれど、
あなたが嘘をつかなくてもいい人生を送れることを祈っています。
おわり
2022年5月5日
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